バイオマス発電とはどんな発電法? 仕組みや特徴をご紹介します!

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア Google+でシェア

現在、私たちの生活は電気がなくては成り立ちません。電気を作る発電所は、火力、水力、風力、原子力などの種類がありますが、今バイオマス発電が注目を集めています。バイオマス発電とは、化石以外の生物から作り出される有機性のエネルギー資源のことです。

今回は、その仕組みや特徴をご紹介しましょう。生ゴミや廃材などからもバイオマス発電は行えます。ですから、バイオマス発電が普及すれば、資源不足に悩むことや電気代の高騰も起こりにくくなるでしょう。興味がある方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. バイオマスとは?
  2. バイオマス発電の仕組みは?
  3. バイオマス発電の実情
  4. バイオマス発電のメリットとデメリットは?
  5. バイオマス発電の課題

1.バイオマスとは?

バイオマスとは、動物や植物など炭素を含んだ有機物から作られるエネルギー資源のことです。現在、私たちが使っているエネルギーは、化石燃料から作られるものがほとんどでしょう。化石燃料とは、植物や生物の死骸が長い時間をかけて変化したものです。
ですから、バイオマスも化石燃料も炭素を含んでいるという点では同じです。

しかし、化石燃料ができあがるまでに長い年月を要し、量が限られているのに対し、バイオマスは人間が生活した結果に出る有機物のゴミを燃料として利用できます。そのため、バイオマスを安定して燃料化する方法が確立されれば、燃料がより安価に安定して供給されるようになるでしょう。

2.バイオマス発電の仕組みは?

バイオマス発電とは、文字どおりバイオマスを燃料源にしてタービンを回して発電をすることです。その発電の仕組みは、基本的に火力発電と同じです。火力発電は化石燃料を燃やしてタービンを回しますが、バイオマス発電はその燃料がバイオマスになるだけです。ただし、その燃焼方式は二種類あります。

一つは、直接燃焼方式です。これは、バイオマスを燃えやすい状態にして直接燃やす方法です。

もう一つは、ガス化方式になります。これは、バイオマスを加熱したり発酵したりしてガスを発生させ、それでタービンを回す方法です。この方法では、燃料によってガスの発生のさせ方が異なります。

3.バイオマス発電の実情

バイオマス発電は、2014年で約19億キロワットの電気を作り出しています。これは、523000世帯が1年で使う電気量と同じくらいです。しかし、現在のところ、バイオマス発電だけを行う発電所というのは存在しません。すべて火力発電所と併設した施設になっています。

バイオマス発電所の仕組みは、火力発電所とほぼ同じ、と前述しました。ですから、火力発電所との併設は問題ありません。風力発電や太陽光発電の場合は、一からその施設を作らなくてはならないのです。そのため、既存の施設を再利用できることもバイオマス発電の大きな特徴になります。

4.バイオマス発電のメリットとデメリットは?

では、バイオマス発電のメリットとデメリットとは、どのようなものでしょうか? この項で詳しくご紹介していきます。

4-1.バイオマス発電のメリットは?

バイオマス発電に使う燃料とは、私たちが生活したうえで出したゴミです。ですから、本来ならばその処分にも、お金がかかっていました。しかし、それが発電に使えると経済的にも資源的にもとてもエコです。

また、現在のところ火力発電に使う石炭や石油は、100%輸入に頼っています。そのため、原油や石炭の産出国の都合により、価格が大きく変動するのです。ですから、電気料金は値段がコロコロ変わりやすいでしょう。バイオマス発電ならば、私たちの生活から出たゴミが原料ですから100%国産の原料で行えます。

生活している以上必ずゴミは出ますので、バイオマスが不足することも考えにくいでしょう。安定して安価な燃料というのは、発電に最適です。さらに、バイオマス発電は大気中に二酸化炭素を増やさない発電方法になります。これを「カーボンニュートラル」というのですが、二酸化炭素の規制が厳しくなる中でこれからも価値は高まり続けるでしょう。

4-2.バイオマス発電のデメリット

バイオマス由来の燃料は、化石燃料に比べるとどうしても効率が悪いです。ですから、同じエネルギーを得るためには、化石燃料よりもたくさんのバイオマスが必要になります。そのため、バイオマスを保存したり収集したりする施設が必要です。私たちの生活から出るゴミのすべてが、バイオマス燃料になるわけではありません。

また、バイオマス燃料になるゴミであっても、そのほかのゴミと混ぜてしまえば役に立たなくなるものもあるでしょう。ですから、バイオマスを安定して確保するためには、私たちが行っているゴミの分別がさらに細かする必要もあります。さらに、バイオマス燃料というのは、植物から直接取ることもできるのです。

たとえば、コーンやサトウキビからもバイオマスはできます。しかし、バイオマスにするために穀物や植物を畑に栽培すれば、食料を栽培する場所がそれだけ少なくなるでしょう。そのため、世界的な食糧危機が発生する可能性があります。実際、原油国が戦争になったとき、一時的にバイオマス燃料の需要が高まりました。すると、食べるために育てられていた穀物の一部が燃料用に使われ出して、穀物の価格も上昇したのです。つまり、エネルギー問題が解決してもそれが原因で別の問題が起こる可能性もあります。

5.バイオマス発電の課題

バイオマス発電は、これからの発電の主流となるかもしれない方法です。エコな発電方法としては、このほかにも太陽光発電や風力発電、さらに地熱発電があります。しかし、どの発電も施設を作るのにコストがかかりすぎたり、発電の効率が悪かったりして従来の発電方法の代わりにはなりにくいのです。だからこそ、バイオマスを安定して供給できる方法の確立が重要になります。

現在のところ、荒れ地でも栽培できて育成時間の短い雑草のような植物をバイオマスにする研究が進められているのです。また、その一方で、バイオマスからより効率よくエネルギーを抽出する方法も研究されています。この二つの課題をクリアできれば、バイオマス発電は世界中にもっと普及する可能性が高いでしょう。そのためには、私たちもゴミの分別やリサイクルに力を入れるなど、できることは協力していくことが大切です。

たとえば、廃油でもバイオマス燃料になりますから、固めて捨てるよりも回収しているところに持っていくとよいでしょう。

おわりに

今回は、バイオマス発電の特徴やメリット・デメリットについてご紹介しました。バイオマス発電は、太陽光発電や風力発電などエコな発電の中ではマイナーです。しかし、最も従来の発電方法に代わって主力になれそうな方法でもあるでしょう。さらに、バイオマス燃料は発電だけでなく車などの燃料になるのではないか、という研究も進められています。

バイオマス燃料を使った車が開発されて商品化されれば、今よりも低コストで車の運転ができるようになるでしょう。しかし、その反面バイオマスの需要が高くなるほど、食用に回されていたはずの穀物が燃料用に回されて価格が高騰する、というデメリットも生まれています。ですから、実際にバイオマス発電が軌道に乗るのはもう少し先になるでしょう。それでも、既存の火力発電と組み合わせるだけで、二酸化炭素の削減などメリットも大きいのです。