
電験3種の試験日程・実施頻度は? 勉強のスケジュールを立てるコツ
2016/04/27
2019/03/12
電気関係の資格の中でも、電験3種は受験資格なしで受験できる数少ない試験です。そのため、受験を考えている方も多いでしょう。では、電験3種の試験日程はどうなっているのでしょうか? 合格するためには、試験日程を把握し、スケジュールを立てて勉強する必要があります。
そこで今回は、電験3種の試験日程や申込み方法・試験結果の発表の方法についてご紹介しましょう。社会人で資格試験を受ける場合、自分ですべての手続きをする必要があります。いくら一生懸命勉強したとしても、手続きを忘れてしまえば受験できません。この記事を読んで、しっかりと試験の申込み方法を把握してください。
1.電験3種とはどんな資格?
電験3種とは、正式名称を第3種電気主任技術者といいます。この資格を取得すると、高電圧受電設備の保守点検管理を行えるのです。電気関係の資格の中では、電気工事士と並んで人気があり、受験者もたくさんいます。電気主任技術者は、1種・2種・3種の三種類がありますが全て受験資格はありません。そのため、幅広い年代の方が受験します。
しかし、電験3種は電気関係の試験の中で最も難易度が高く、合格率は毎年10%前後で、3年かけて合格する人も珍しくありません。一夜漬けで勉強しても合格は不可能です。試験に挑戦する人はしっかりと勉強の計画を立てて試験勉強を行ってから臨みましょう。
2.電験3種を受験するまでの流れ
この項では、電験3種を受験するまでの流れをご紹介します。2019年度の試験日程だけでなく、申込み方法や受験料などもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
2-1.電験3種の受験日程
電験3種の受験日程は、毎年変わります。電気主任技術者の試験を行っているのは、一般財団法人電気技術者試験センターです。ですから、まずはサイトを見て日程を確認しましょう。
2-2.受験の申込み方法
電験3種を受験したい場合は、インターネットか郵送で申し込んでください。インターネットの場合は試験センターの該当ページから申込みましょう。受付期間になると、申し込めるようになります。もうひとつが、郵送による申込み方法です。こちらは5月上旬から申込用紙が配布されますので、そこに必要事項を記入して郵送しましょう。
配布場所の詳細は、申込みの10日前から試験センターのホームページに記載されます。つまり、試験の申込みが近くなったら必ず試験センターのホームページには目を通してください。学校などで一括に申し込む以外は、チェックを忘れずに行いましょう。
申込期間は案外短いので、できれば初日に申し込んでおくとよいでしょう。なお、受験料はインターネット申込みが4,850円で、郵送の申込みが5,200円です。間違えないように注意してください。
2-3.試験会場はどのような場所?
電験3種は、受験者が多い試験です。ですから、大学や専門学校、ホールのような広い場所を貸し切って行われます。東京や大阪といった大都市では受験会場が複数ということもあるのです。年1回しか行われない試験ですから、会場が満員になりそうだからと締め切り日が早まるということはありません。ただし、全都道府県で試験が行われるわけでもないのです。
受験者が少ない地方では、主要都市だけにしか試験会場がない場合もあります。ですので、試験会場をよく確認したうえで希望を出しましょう。また、希望の試験会場を書き忘れると試験センターが勝手に住所から試験会場を割り振ってしまいますので気をつけてください。遠くの試験会場が指定された場合は移動手段や宿泊場所を確保しておきましょう。
2-4.試験の時間や科目は?
電験3種の試験は理論・電力・機械・法規の4科目になります。理論・電力・機械の3科目が90分で、法規が65分ですので、1日がかりの試験になるでしょう。電験3種は、4科目全てを3年間かけて科目合格すれば試験合格になります。そのため、毎年1~2教科ずつ受験するということもできるのです。前年に合格した科目は3年間までならパスできます。ですから、すべての方が4科目受験するわけではありません。科目によって人数が増減することもあるでしょう。
社会人で受験する方は、3年間で合格できるようなプランを作っている方もいるかもしれません。しかし、最初から3年間の計画で試験を受けると、何らかのアクシデントがあったときに今までの努力が無駄になってしまいます。そのため、複数年で合格するプランを立てる場合は2年間で合格できるようにし、残り1年を予備に回すとよいでしょう。なお、試験の難易度は年によって微妙に違います。そのため、合格する自信があった科目が思ったように点が取れないこともありますし、その逆もあるでしょう。
3.合格発表について
電験3種の試験が終了しておおよそ1か月後に合格発表が行われます。この日程は毎年異なるので、試験センターのホームページで検索してください。また、当日は受験番号から合格しているかどうかインターネットで検索ができます。ただし、合格発表当日は込みあってアクセスしにくくなるかもしれません。ですから、あえて1日後に検索した方が分かりやすいでしょう。
また、合格した人には通知が届きます。不合格でも特定の科目が合格点に達している場合も、同様です。この通知は来年また試験にチャレンジする場合は、試験免除の証明になりますので、必ず取っておいてください。合格した方は、所定の手続きを取りましょう。そうすれば、経済産業大臣の印がある立派な免状が送られてきます。これで、試験の日程はすべて終了です。
4.電験3種の勉強法
4-1.知識がない状態から勉強する場合
電気に関係する資格に初めて挑戦するという場合は、まず電気数学の勉強から始めましょう。電験3種はすべての科目で計算問題が出題されます。電気数学の知識がなければ、過去問題に挑戦しても歯が立ちません。試験は毎年9月に行われますので、遅くとも3月には電気数学の勉強を開始しましょう。電験3種の試験合格に必要な電気数学の知識が身につく参考書も販売されています。
4-2.一定の知識がある人向けの勉強方法
すでに電気工事士などの資格を取得している人は、試験の半年前くらいから参考書や過去問を使って勉強を始めましょう。電気工事士の試験は公式を暗記していれば解ける計算問題しか出題されませんでしたが、電験3種の場合は公式の応用が求められます。電卓の持ち込みは認められていますが、計算に慣れておくことも大切です。
また、科目合格が認められているので科目を絞って勉強する方法もありますが、初めて試験に挑戦する人は、まず全ての科目をまんべんなく勉強しておきましょう。狙いを定めて勉強した科目が極端に難しかった場合、その年の試験が全くの無駄になってしまいます。
4-3.勉強のコツ
電験3種は、合格率が10%を切る難しい試験です。仕事をしながら勉強をする場合は、週末にまとめて勉強をしようと思う人もいるでしょう。しかし、人間の集中力は何時間も持ちません。毎日30分でもいいので勉強しましょう。夜寝る前に計算問題を3問解くなどのノルマを課すなどしてもいいですね。家に帰って勉強する時間がないという場合は、通勤時間や昼休みを利用して勉強しましょう。
5.よくある質問
Q.電験3種の試験は、年に1度だけですか?
A.はい。年に1度だけですので、受験を志す人は前々からスケジュールの調整を行っておきましょう。
Q.電験3種は、暗記問題は出ないのですか?
A.法規などで暗記問題も出題されます。ですから計算問題だけやっていても合格できません。
Q.電験3種は、何時間勉強すれば取得できますか?
A.個人差はありますが、合格した人の多くが半年以上勉強して合格をつかみました。試験前に慌てて勉強しても合格できないことは確実です。
Q.電気数学の勉強をすれば、過去問が解けるようになりますか?
A.はい。電気数学を勉強すれば解の導き方が分かります。後は公式の利用方法を覚えましょう。
Q.電験3種は、ほかの資格と掛け持ちして受験することはできますか?
A.可能ですが、勉強が大変です。無理にいくつも試験を受けるのはおすすめできません。
おわりに
今回は電験3種の試験日程についてご紹介しました。電験3種は人気がある割には、年に1回しか試験が行われません。そのため、その日を逃せば1年間我慢しなくてはならないのです。必ず受験できるようにしておきましょう。
また、申込みを忘れた場合は、例外が認められません。試験センターのミス以外は受験できませんので、注意しましょう。さらに、当日体調を崩したり試験に間に合わなかったりしても追試は行われません。本当に一発勝負なのです。そのため、体調を整えて試験に遅れないように注意しましょう。
ただし、地震や大雪など突発的な災害や天災などでは考慮がされます。試験日程は9月なので、雪の心配はありませんが台風が直撃する可能性はあるでしょう。もし、試験当日に台風が直撃する予報が出ている場合は、事前に試験センターへ問い合わせてください。対処法を教えてくれます。そうすれば、安心して試験が受けられるでしょう。