電験に挑戦する方必見!理論の参考書・テキストの選び方を解説!

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電験(電気主任技術者)は、大型商業施設・ビル・工場などに設置されている高圧受電設備の保守・管理を行える資格です。高圧受電設備の定期点検は法律で義務付けられているので有資格者の需要は高く、就職先もたくさんあります。年を取ってからも活躍できる職場が多いので、中高年になってから資格を取得する方も珍しくありません。電験の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目があります。

今回は、理論のテキストや参考書の選び方、勉強の仕方をご紹介しましょう。

  1. 電験の理論とは?
  2. 理論の学習方法
  3. 理論の参考書・テキストの選び方
  4. 理論の参考書・テキストに関するよくある質問

自分にぴったりの参考書やテキストの選び方が分かれば、勉強もぐっとはかどります。電験にチャレンジするという方や、参考書を探している最中の方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.電験の理論とは?

はじめに、理論の概要や難易度などを紹介します。いったいどのような科目なのでしょうか?

1-1.理論の内容

電験の理論は、目に見えない電気の流れを数字で表わす科目です。中学や高校の物理で電流に関する方程式を学んだという方もいるでしょう。理論はそれがより高度になった学問と考えれば分かりやすいと思います。理論の試験で出される問題の8割は計算問題です。ですから、電気の知識はもちろんのこと、数学の知識や計算能力も求められます。高校2年生程度の数学が問題なく解けるようでしたら、理論の勉強はそれほど難しくはないでしょう。中学や高校で数学が苦手だったりほとんど忘れていたりする場合は、理解に時間がかかりますので早めに勉強を始めてください。

1-2.理論は最初に勉強を始める科目

理論は「オームの法則」といった電気の基礎から公式を使った計算問題まで範囲が広い科目です。また、理論で勉強する内容は他の科目を勉強するうえでも必要になります。理論の問題が理解できなければ、電力や機械も同じように参考書を読んでも理解できないでしょう。ですから、自分の実力や理解度を知る上でも、最初に手をつけてみてください。

1-3.理論の難易度はどのくらい?

電験に初めてチャレンジする方のほとんどが、電験3種取得を目指しているかと思います。電験3種の理論は、直流回路と交流回路の知識や微分・積分・三角関数といった知識がないと理解が難しい科目です。すでに電気工事士一種・二種といった電気関係の資格を取得している方は、電験3種の理論は理解しやすいでしょう。一方、中学や高校の物理で電気を勉強しただけ、という方は理解するまでに時間がかかる可能性があります。数学も苦手で電気の知識もほとんどないという方は、参考書を読んでもほとんど理解できないかもしれません。

このように、理論の難易度は数学や電気の知識があるかどうかで変わってきます。数学が苦手で電気の知識がないという人ほど早めに勉強を始めましょう。

2.理論の学習方法

では、理論はどのように勉強をすれば効率的に理解を深められるのでしょうか?この項では、学習方法の一例をご紹介します。

2-1.電気や数学の知識が不安な方は電気数学から勉強する

電気の知識がほとんどなく数学も苦手、という方は理論に取りかかるまえに電気数学を勉強しましょう。電気数学が理解できれば、理論も理解できるようになります。また、電験の試験に必要な数学の参考書も販売されていますから、このような参考書で知識を補いつつ勉強を進めていきましょう。

2-2.公式を覚えることから始める

理論の問題は公式を覚えなければ解けないものがほとんどです。ですから、まずは公式を覚えましょう。単に丸暗記するだけでなく、どのような問題で、どの公式を使うのかを覚えることが大切です。電験の試験は、公式を単純に当てはめれば解けるという問題はほとんど出題されません。必ず一ひねり加えてきます。問題を解きながら、公式を覚えて行くという方法を使ってもよいですね。

2-3.分からない問題は解説文を読んで理解する

電気工事士の資格を持っている方でも、理論の問題をいきなりすらすらと解ける方はごくわずかです。勉強し始めの頃は、解けない問題が多くても気にする必要はありません。解けなかった問題は、回答の解説文を読んでみましょう。公式のあてはめ方や考え方が分かります。これを読んだうえで、繰り返し問題を解くことが大切です。

2-4.何度も繰り返し問題を解いて慣れる

計算問題は繰り返し解くことで、スピードと正確さが増していきます。ですから、毎日問題を解きましょう。問題を多く解くほど、公式の応用の仕方が自然と身に付いてくるはずです。

2-5.過去問題を有効活用する

電験は、過去問題が豊富に販売されています。参考書の問題だけでなく、過去問題も積極的に解きましょう。電験の試験は過去に出された問題がそのまま出題されることはまずありませんが、似たような問題が出題されることはあります。解き方が同じ問題が試験に出る可能性は十分にあるので、最低でも過去3年~5年分の問題は解いておきましょう。

2-6.分からなかった問題をそのままにしない

参考書を読んでも問題の解き方が理解できない場合は、多くの方が「この問題と類似したものが出たら諦めよう」という気分になるかもしれません。1個くらいならまだしも、そのような問題が2個も3個もあってはダメです。分からない問題が出てきたら、Yahoo!の知恵袋などで質問をしてみましょう。分かりやすい答えが返ってくる可能性があります。また、短期講習などに参加できる方はチャンスです。講師に積極的に質問をしましょう。

3.理論の参考書・テキストの選び方

この項では、理論の参考書やテキストの選び方を紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.参考書やテキストの種類

理論の参考書には

  • 他の教科と一緒になった参考書
  • 理論単独の参考書
  • マンガ形式の参考書
  • 理論の中でも数学に特化した参考書
  • 過去問題集

といった種類があります。1冊数千円が相場です。4教科が一緒になった参考書は、すでに電気や数学の基礎知識があり、要点だけ掴みたいという方には良いですが、初心者にはおすすめできません。初心者の方には、理論単独の参考書で写真や図解が多く掲載されていて分かりやすいものが良いでしょう。

3-2.参考書の選び方

参考書は、Amazonなどのインターネット書店にも販売されていますが、できれば自分の目で内容を確かめてから買いましょう。一部を読んでみて理解ができない場合は、参考書が難しすぎるということです。「分かりやすい」「徹底解説」などの副題がついている参考書が理解できない場合は、電気数学から勉強してみましょう。電気数学は、マンガ形式の参考書もあります。

近所に大型書店がなくてネット通販を利用したいという場合は、評価に目を通してみてください。初心者でも分かりやすいという評価が多いものを選ぶと安心です。理論と電気数学・理論の参考書と理論に使われている数学、というふうに複数の参考書を使ってもよいでしょう。

3-3.参考書の紹介

3-3-1.電気書院 これだけシリーズ

最も有名な参考書です。電験のおすすめ参考書というと、大抵このシリーズが紹介されます。初心者からある程度知識がある人まで使えるので、迷ったらこれを選びましょう。

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3-3-2.オーム社 完全マスターシリーズ

電気工事士などの試験に合格し、今も電気関係の仕事についている方や高校・大学で電気を勉強している方向けの参考書です。これが理解できれば、理論はほぼ確実に合格できるでしょう。

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3-3-3.日刊工業新聞社 電験三種合格の数学

こちらは、電験試験に必要な数学に特化した参考書です。理論を勉強しているが数学がよく分からないという方は、理論の参考書と併せて使うとよいでしょう。

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3-4.年代の古い参考書を使用しない

理論の参考書は高価なので、中古本を利用したいという方もいるでしょう。しかし、あまり古い参考書ですと現在とは出題方法が異なっているなどして、使い物になりません。古本を利用しても構いませんが、少なくとも3年以内に出版されたものを利用してください。過去問題集も同様です。

4.理論の参考書・テキストに関するよくある質問

Q.テキストは1冊をやりこんだ方がよいのでしょうか?
A 自分に合った参考書であれば、やりこんでみてください。問題は過去問題も併せて解きましょう。ただし、読んでも理解できない参考書を何度も読んでいるだけでは勉強にならないので注意してください。

Q.電気数学の参考書だけでは、理論の勉強はできませんか?
A.電気数学はあくまでも基礎です。電気数学の参考書の他に必ず理論の参考書も利用しましょう。

Q.4科目1冊の参考書の方が持ち歩きしやすいのですが、ダメですか?
A.ダメというわけではありませんが、ページ数が少ない分、それぞれの内容が薄い可能性があります。

おわりに

今回は電験の理論を勉強するためのテキストや参考書についてご紹介しました。電験は電気関係の資格の中でも人気が高いので、参考書も豊富です。いろいろありすぎて迷ってしまう方も多いことでしょう。他の方の意見を参考にするのもよいですが、やはり自分の目で見て「これなら」という一冊を選んでください。