電気主任技術者の合格率が低い理由は? 難易度や勉強のコツと共に紹介!

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「電気主任技術者の資格に興味があるけれど、合格率が低いと聞いて挑戦するのをためらっている」という人はいませんか?電気主任技術者の資格は、取得すれば独立も望める役立つものです。

その一方で、合格率が毎年数%~10%台と低くなっています。そのため、勉強法を工夫して効率よく知識を身につけることが、合格のカギとなるでしょう。今回は、電気主任技術者試験の合格率や難易度、勉強方法などを紹介します。

  1. 電気主任技術者の仕事内容や取得するメリット
  2. 電気主任技術者試験の難易度が高い理由
  3. 資格区分別の合格率と最近の傾向
  4. 電気主任技術者の試験の申し込み方法
  5. 電気主任技術者に関するよくある質問

この記事を読めば、勉強を効率よく行うコツも分かるでしょう。電気主任技術者の資格取得を目指している人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.電気主任技術者の仕事内容や取得するメリット

電気主任技術者とは、電気事業法に基づいて事業用電気工作物の保安業務を行うことができる国家資格です。第1種から第3種までの資格区分があり、以下のように保安業務ができる電圧の種類が決まっています。

  • 第1種:すべての電気工作物
  • 第2種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
  • 第3種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)

第3種でも、保安業務が行える事業用電気工作物は豊富です。ですから、まず第3種の取得を目指すといいでしょう。取得すれば、事業用電気工作物を設置している施設すべてにおいて需要があります。資格手当という名目で昇給も期待できるでしょう。転職の際には武器にもなります。

2.電気主任技術者試験の難易度が高い理由

この項では、電気主任技術者試験の内容や難易度について解説します。

2-1.電気主任技術者試験は第3種が学科試験のみ、第1種と第2種は二次試験まである

電気主任技術者の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目の学科試験と二次試験として、電力・管理と機械・制御の記述式試験があります。ただし、第3種は、学科試験のみで二次試験はありません。第1種・第2種は二次試験まで合格して、はじめて資格が取得できます。なお、学科試験は科目合格が認められており、3年間のうちにすべての科目に合格すれば、試験合格です。

2-2.学科試験は計算問題が多い

国家試験の学科試験というと、参考書を暗記すれば解ける問題が多いでしょう。しかし、電気主任技術者の学科試験は、どの科目も半分以上が計算問題です。しかも、公式を使いこなせないと解けない問題も多数出題されるため、一夜漬けの試験合格は不可能になっています。勉強方法によっては「あんなに一生懸命勉強したのに、点数が取れなかった」となることもあるでしょう。

2-3.試験の難易度は年によって変わる

試験の難易度は年によって変わり、受験生の多くが易しいと感じられる年もあれば、全く歯が立たなかったという年もあります。学科試験は60点以上で合格ですが、合格率が低い年は、50点台でも合格することがあるでしょう。なお、受験生が増える年は、相対的に合格率が下がる傾向にもあります。ですから、合格率が低いからといって、試験が難しくなったとは限りません。

3.資格区分別の合格率と最近の傾向

この項では、資格区分別の合格率や最近の推移を紹介します。

3-1.第3種の合格率が低いのは受験生が多いため

第3種は、電気主任技術者の中で最も挑戦しやすいものです。そのため、受験者数が最も多く、相対的に合格率が下がりがちになります。平成25~30年まで第3種の合格率は10%を切っていますが、難易度が極端に上昇したのではなく受験者数が増えたためと考えましょう。

3-2.第1種・第2種の合格率は10~20%台

第1種・第2種の合格率は、ここ数年、学科試験が20%台、二次試験が10%台で落ち着いています。これは、第1種・第2種を受ける人のほとんどが、仕事上必要となり取得するため、しっかり勉強して受験するからです。また、大学などで電気関係の学科を専攻した人が多いので、第3種に比べると合格率が高めになっています。それでも、二次試験の合格率は10%台です。

4.電気主任技術者の試験の申し込み方法

この項では、電気主任技術者の試験の申し込み方法や勉強のコツを紹介します。

4-1.試験を受ける方法が一般的

電気主任技術者の資格を取得するには、電気技術者試験センターが主催する資格試験を受験し、合格する方法が一般的です。実務経験を積んで経済産業省から認定を受ける方法もありますが、基準が厳しいので利用する人は限られています。講習などでは資格取得はできないので、注意しましょう。試験は毎年8月後半~9月に学科試験、11月に二次試験が行われます。第1種と第2種は同日、第3種は別の日に行われるので、第1種または第2種と第3種の同時受験は可能です。

4-2.電子申請が便利

電気主任技術者の試験は電気技術者試験センターのサイトから、電子申請で試験の申し込みを行うと便利です。受験手数料は、第3種が4,850円(郵送申し込み:5,200円)、第1種・第2種が12,400円(郵送申し込み:12,800円)となります。

5.電気主任技術者に関するよくある質問

この項では、電気主任技術者に関する質問を紹介します。

Q.電気主任技術者の試験は、いきなり第1種・第2種を受けても大丈夫ですか?
A.問題ありませんが、全く知識のない状態でいきなり受けても、まず合格は不可能でしょう。

Q.電気主任技術者の二次試験に科目合格はありますか?
A.いいえ。ありません。

Q.電気主任技術者の試験は、まず第3種から受けた方がいいですか?
A.全く電気の知識がない状態なら、第3種から挑戦してみましょう。

Q.数学が苦手ですが、試験を受けても大丈夫ですか?
A.数学が苦手で参考書を読んでも理解できない場合、まず電気数学から勉強しましょう。

Q3年間かけて学科試験の全ての科目に合格できなければどうなりますか?
A.2年前までに合格した科目以外は、また初めから受け直しとなるので、ぜひ合格しましょう。

まとめ

今回は、電気主任技術者の合格率を中心に解説しました。第3種が第2種・第1種より合格率が低くなっているのは、受験者数が多いからです。ですから、3種が飛びぬけて難しい試験というわけではありません。電気主任技術者の資格を取得すれば、仕事の幅が広がり、転職も有利になるでしょう。ぜひ、取得を目指してみてください。