
電験3種を取得したい方必見! 仕事内容や年収について徹底解説!
2016/03/25
2019/03/12
就職や転職のために資格を取得しようと考えている方は多いでしょう。そんな方に人気の資格のひとつが電気主任技術者。通称電験です。1種・2種・3種の三種類があります。電験の受験資格はいらないので、誰にでもチャレンジできます。特に3種は、1種・2種に比べて取得しやいため人気があり、若い方だけでなく年配の方も受験する方がたくさんいるのです。
そこで今回は、電験3種の仕事内容や年収をご紹介しましょう。電験3種の試験内容は、決して飛び抜けて難しいわけではありません。しかし、独学で勉強するとなるとなかなか大変です。仕事内容や年収が分かれば勉強のモチベーションにもなるでしょう。電験3種の資格取得を目指している方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
1.電験3種とはどのような資格?
電験3種とは、正式名称を第3種電気主任技術者といいます。電気主任技術者は、1種・2種・3種までありますから、その中の一番下に当たるのです。電気主任技術者になると、工場や商業施設にある高圧受電設備の保守・管理が行えます。人が長時間過ごす建物には、電気設備が欠かせません。
大勢の人が利用したり大型の機械を動かしたりする場所ほど、高圧受電設備が必要です。高圧受電設備は法律により定期的な保守、点検が義務づけられています。つまり、高圧受電設備を備えている施設は電気主任技術者に保守や点検を依頼しなくてはならないのです。
電験3種の資格取得者が扱えるのは、電圧5万ボルト未満の電気工作物(出力5,000キロワット以上の発電所を除く)の工事、維持及び運用する設備になります。これは、大型の発電所や工場以外の施設は大体当てはまるでしょう。ですから、電験3種を持っていれば、マンション、商業施設、工場など多くの場所の高圧受電設備の保守点検を行えます。もちろん、保安設備会社の求人も多いでしょう。また、ビル管理の仕事も電験3種の資格を持っていると有利です。
2.電気工事士と電気主任技術者の違いは?
電気に関する資格は、電気主任技術者以外にもあります。代表的なものが、電気工事士です。電気工事士というのは、文字どおり電気工事を行える資格のこと。電気設備は設置方法を間違えると火災や漏電の危険があります。ですから、家電の設置以外の工事は、素人では行えません。
たとえば、コンセントを増設したいとか部屋に電線をひきたいという場合は、電気工事士が施工を行わなければならないのです。しかし、電気工事士は高圧受電設備の保守点検は行えません。電気主任技術者が保守点検をして異常箇所が発見された場合、初めて電気工事士の出番になります。
もちろん、両方取得していれば工事も保守点検も行えるのです。ですから、電気工事士の資格を取得した後、電気主任技術者の資格に挑戦する人もたくさんいます。
3.電気主任技術者の仕事内容と年収は?
この項では、電気主任技術者の仕事内容と年収についてご紹介します。電気主任技術者になると、どのような働き方ができるのでしょうか?
3-1.仕事内容
電気主任技術者の資格を生かした仕事となると、やはり高圧受電設備の保守点検が主な仕事になります。会社勤めをする場合は、電気設備の保守点検サービス会社に勤めて、割り当てられた場所の電気設備を点検することが多いでしょう。
24時間操業の工場や施設などの場合は、電気設備が故障すると大変なことになります。そのため、夜勤や泊まり勤務をしながら電気設備の保守をする会社もあるでしょう。ビル管理の会社などは、そのような勤務体制をとっているところもあります。ですから、月に何回は宿直勤務があるという会社も珍しくありません。
また、土日祝日やお盆、正月も関係ないでしょう。そのため、カレンダーどおりには休めないという職場も多いです。
3-2.独立も可能
電験3種の資格を持っていれば、独立して保守点検業務を行うこともできます。ただし、独立するには5年の実務経験が必要です。「でも、独立したら自分で仕事を探さなければないし、営業は苦手だ」という方もいるでしょう。しかし、そんな心配はいりません。保守点検業務は、会社から業務委託を受けるケースがほとんどです。つまり、保安管理会社が契約を結んだ施設に、保守点検をしに行く形になります。ですから、雇用形態は自営業ですが、仕事内容はほぼ正社員と変わらないでしょう。
また、独立すると仕事を選べます。年を取って夜勤や泊まり勤務が厳しくなった場合は、昼間保守点検ができる仕事だけを受ければ、高齢になるまで働けるでしょう。実際、70代80代の現役技術者も少なくありません。
仕事を調整すれば、長期休暇も取れます。そのため、「会社勤めが向いていない」「ひとりでコツコツと仕事をしたい」という方にもおすすめです。
3-3.電気主任者の年収は?
電験3種を取得した方が、高圧受電設備の保守点検の仕事に就いた場合の年収は400万円~500万円が相場です。ちょうど、日本のサラリーマンの平均年収と同じくらいでしょう。「もう少し稼げるかと思っていた」とがっかりする人もいるかもしれません。しかし、自分の努力しだいで、年収をアップさせることは可能です。
一つは、より上位の資格を目指すこと。電験2種や第一種電気工事士の資格を取得すれば、それだけできることも増えます。第一種電気工事士の資格は、試験に合格しても実務経験がないと免状申請ができません。ですから、働きながらステップアップを目指しすかないのです。一方、電験2種は受験資格はありませんから、関心のある方はぜひ挑戦してみてください。
また、電験3種を取得して実務経験を積んでいれば、上位資格は一定の条件を満たせば無試験で資格取得が可能になります。つまり、電験3種の資格を生かした仕事に就けば、収入アップの道は開けるでしょう。さらに、独立すれば、自分の裁量しだいで年収はアップできます。たとえば、若いうちにガンガン稼ぎたいと思えば、仕事をたくさん引き受ければよいのです。
前述したように、独立すれば、体が続く限り仕事をすることもできるでしょう。今は、元気な高齢者が増えています。「軽い仕事であれば、ずっと働きたい」と思っている方も少なくありません。電験3種の資格を生かせば、パートタイム程度の勤務時間で正社員並みの収入を得ることも可能です。つまり、資格を取得すれば一生働き続けることも難しくないので、生涯賃金は大幅にアップするでしょう。取っておいて決して損はしません。
おわりに
今回は、電験3種の資格を取得すると行える仕事内容や、年収についてご紹介しました。一般的な転職は年齢が上がるにつれて不利になっていきます。しかし、電験3種の資格を取得しておけば年齢に関係なく求人はあるでしょう。特に、経験者は重宝されます。これから先も、私たちが電気を使わずに生活するようになる可能性はありません。それどころか、IT技術が発達するにつれて高圧受電設備を使用する施設はどんどん増えていくでしょう。そうすれば、電気主任技術者の需要も増えていきます。ですから、機会があったらぜひチャレンジしてみましょう。電験3種は、参考書や通信教材も充実しています。ですから、時間をかけて丁寧に勉強すれば、ほかの資格に比べれば取得しやすいでしょう。