
電験3種の講習会ではどんなことが学べる? 参加方法や注意点を解説!
2015/12/21
2019/12/23
第3種電気主任技術者、別名電験3種は、事業用電気工作物の工事や維持・保安の監督に欠かすことのできない資格です。電気に関する資格の中では最も需要が高く、なおかつ受験資格もないので受験する方は多いでしょう。
そこで今回は、電験3種の講習についてご紹介します。一体どのようなことを行うのか?答えはこの記事を読めば分かります。電験3種の講習会に興味がある方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
1.電験3種とはどんな資格?
電験3種は、正式名称を第3種電気主任技術者といいます。店舗や工場などの事業用電気工作物の管理や保安、そして工事の監督を行える資格なのです。現在では、どのような建物でも電気が通っています。一般住宅よりも、商業施設や工場、さらに発電所や変電所の方が電気をたくさん使っているでしょう。このような場所で万が一、電気系統のトラブルがあった場合は大勢の方に影響が出ます。そこで、電気主任技術者という電気の保安を行う専門家を選任し、電気設備の保守点検をするのです。
同じような電気に関する資格に「電気工事士」がありますが、電気工事士の場合、電気工事は行えても電気設備の保守点検は行えません。ですから電気主任技術者は電気工事士を束ねる立場にもなれるのです。
また、電気主任技術者は1種・2種・3種とあり、それぞれに扱える電気設備が決まっています。第3種は扱える設備の電圧が5万V未満と一番低いですが、それでも保守点検ができる設備は多いのです。
2.電験3種の資格を取得するには?
電験3種の資格を取得するには、試験と認定という二つの方法があります。試験に受験資格はありません。性別・年齢・学歴・国籍に関わらず誰でも受験できます。
認定というのは、一定の学歴と職歴がある方が審査を受けて電験3種の資格を取得する方法です。認定は試験こそありませんが、口頭試問などの面接があります。面接ではかなり突っ込んだ質問をされることも多いでしょう。ですから、一定の学歴と職歴があれば誰でも資格取得できるというものではありません。
試験の方は「理論」「電力」「機械」「法規」の筆記試験だけで合否が決まります。試験には科目合格があり、3年間で4科目合格できれば資格取得となります。合格率は電験3種で10%前後と決して高いとはいえないでしょう。
3.電験3種の講習会とは?
電験3種は、独学や通信教育を利用して勉強をする方が多いでしょう。しかし、電験3種の難易度は工業高校の電気科を修了した程度で、高校のレベルとはいえ、専門的な知識を全くゼロから学ぶのは大変です。そこで、いろいろな団体が講習会を行っています。この項では、講習を受けるまでの流れなどをご紹介しましょう。
3-1.電験3種の講習会を行っているところは?
電験3種の講習会は一般財団法人、日本電気協会のような半ば公的な団体や、電気に関する資格の講習を専門的に行う団体が開催しています。つまり、短期の予備校のようなものと考えればよいでしょう。講習は講義形式で行われることが多く、受験対策が主な内容になっています。全くゼロから勉強をしたいという方向けのものもありますし、特定の科目に特化した講習もあるでしょう。
3-2.講習を受けるにはどうしたらいい?
講習がどこで、どのように行われるかという情報を手に入れるには、インターネットで検索するのが最も確実です。しかし、試験の間際に検索してもすでに講習が終わっているか、満員になっているということが多いでしょう。おすすめは、試験が終わった直後です。この時期は、講習を主催する団体も次の試験に向けて動き出しています。
ですから、講習の日程なども徐々に発表されていくことでしょう。サイトをこまめにチェックするか、主催団体に問い合わせをしてみてください。
3-3.講習を受講するのに資格は必要?
講習を受講するのに特別な資格は必要ありません。ただし、日本電気協会が主催している講習の方は、会社が協会に所属している場合は料金の割引があるようです。しかし、学生が受講するには時間帯が厳しいときもあるでしょう。また、工業高校のような専門的な学校の場合は、学校で講習が開かれる場合もあります。
3-4.講習会はどこで行われる?
講習は全国で行われますが、やはり東京や大阪といった大都市が多いでしょう。複数の都市で開催する講習もあるようですが、地方ほど人気が高く、すぐに席が埋まってしまうこともあります。電験3種の講習会は短期間で行われるところがほとんどです。ですから、講習が開催されている間だけビジネスホテルなどに宿泊しながら受講をする方もいます。
4.有意義に講習を受けるにはどうすればいいのか?
一口に電験3種の講習といっても、内容はさまざまです。全く知識がない状態から、合格可能なレベルまで電気の知識を叩き込んでくれる講習もあります。また、特定の科目だけ集中して講義する講習もあります。講習を受けたい方は、まずどのような講習の内容なのかを調べてから申し込みましょう。
講習の料金は決して安くありません。長期間講習を受けるとなると、何十万円もの出費になることがあります。費用を無駄にしないためにも、まずは講習の内容を把握することから始めてください。インターネットのサイトを読んだだけでは分からない場合は、主催者に遠慮なく問い合わせましょう。
5.講習さえ受けていれば合格できる?
講習は、あくまでも試験対策の一つです。試験の必勝法ではありません。講習を受けている最中は、今まで分からなかったことが理解できるような気がしてくる方も多いでしょう。しかし、知識は繰り返し復習しないと確実に身に付きません。講習が終わった後も参考書や通信教育の教材などを使って繰り返し復習してください。こうすることで、講習で習ったことが確実に理解できるでしょう。
また、講習によっては試験直前に対策講座を開いてくれるところもあります。より確実に合格したい方は、利用してみてもよいでしょう。
おわりに
今回は電験3種の講習の内容などについて紹介しました。講習会というと、「これに参加すれば合格できるのか」と思いがちですが、それほど甘いものではありません。
講習に参加しつつ、独学や通信教育などを利用してしっかりと勉強してください。このような講習会はやはり都市部で行われることが多いので、地方に住んでいる方は不公平感を覚えることもあるでしょう。しかし、通信教育の中には講義形式のDVDを取り入れているところもあります。これならば、講習を受けるのと同じ感覚で学ぶことができるでしょう。また、通信教育ならば、分からないことがあってもすぐにメールで質問ができます。
講習会に参加すれば、確かに分からなことは質問できますし、独学で勉強するよりは理解も深まります。しかし、講習会に参加しなければ合格できないというものではありません。電験3種にはいろいろな勉強法があります。講習会が開催される場所が遠すぎるという場合は、ほかの方法も視野に入れましょう。