
電気設備管理の仕事内容を解説! 仕事に役立つ資格はコレ!
2019/05/27
2021/04/07
「ビルメン(ビルメンテナンス業務)や設備管理などの仕事に就きたい場合、電気関係の資格を取得していると有利」と聞いたことはありませんか?電気関係の仕事は資格がないと、できることが限られてしまいます。「設備管理の仕事に就くために、電気関係の資格を取得したいが、どれを取得していいか迷っている」という人もいるでしょう。
今回は、電気設備の管理を行う場合、必要な資格について解説します。
この記事を読めば、電気工事士や電気主任技術者の資格を取得する方法も分かります。電気関係の資格に興味がある人は、ぜひ読んでみてくださいね。
1.電気設備の管理とはどのような仕事?
はじめに、電気設備管理の仕事内容や重要性などを紹介します。
1-1.電気設備は電気に関する設備の総称
電気設備とは、電力会社の配電線から受電する受電設備・変電設備・動力幹線・電灯幹線・非常用電源設備など、電気に関する設備の総称です。一般家庭から不特定多数が利用する施設まで、電気を使用しているところなら必ず電気設備が設置されています。
1-2.事業用電気工作物には点検が義務づけられている
電気設備を含む、電気に関する設備の総称を「電気工作物」と言います。電気工作物は、電圧や使用目的によって以下のように分けられているのです。
- 一般用電気工作物:一般家庭や、コンビニなど小規模な店舗で使われる電気設備
- 事業用電気工作物:発電所や変電所の電気設備、送電線・配電線など電気事業に用いられる高圧以上の電気設備
- 自家用電気工作物:電気事業に用いられない事業用電気工作物(600Vを超える受電設備など)
なお、電気事業法では、事業用の電気設備には定期的な点検を義務づけています。
1-3.電気設備の管理方法や重要性
電気設備管理とは、電気設備の保守や点検・整備・修理・運転監視などが挙げられます。電気設備に不備があり、電気の供給ができなくなると、建物の設備のほとんどが使えなくなるでしょう。また、管理が不十分だと漏電火災などの事故が発生する可能性も高まります。施設を安全かつスムーズに使うためにも、電気設備の管理は大切な仕事です。
2.電気設備の管理に必要な資格
この項では、電気設備管理を行うために取得しておきたい資格を紹介します。
2-1.電気工事士
電気工事士とは、文字どおり電気工事を行うことができる資格です。ガスや水道工事と異なり、電気工事は有資格者でないと行えません。有資格者の監督下であっても、無資格者が行うのは不可なのです。ですから、電気設備に不具合が生じて修理が必要になった場合は、必ず電気工事士が修理を行います。電気工事士の資格区分は以下のとおりです。
- 第一種:第⼆種が行える電気工事・最大電力500kW未満の自家用電気工作物の電気工事を行える
- 第⼆種:600V以下で受電する設備の電気工事を行える
自家用電気工作物を修理したい場合は、第一種の資格が必要になります。
2-2.電気主任技術者
電気主任技術者とは、電気事業法に基づいて事業用電気工作物の保安業務を行うことができる国家資格です。電気事業法に定められている事業用電気工作物の自主点検は、電気主任技術者しか行えません。そのため、事業用電気工作物を設置している施設では、有資格者の選任が必要です。電気主任技術者の資格区分は、以下のとおりとなっています。
- 第1種:すべての電気工作物
- 第2種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
- 第3種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物(出力5千キロワット以上の発電所を除く)
2-3.資格を取得すれば仕事の幅が広がる
電気設備管理の仕事は、無資格でもできるものもあります。しかし、資格を取得すれば仕事の幅も広がり昇給や昇進も期待できるでしょう。また、電気工事士と電気主任技術者は、どちらも常に一定の需要がある資格です。電気設備管理の仕事をした経験と資格を活用すれば、転職もスムーズにできるでしょう。
3.第3種電気主任技術者の資格取得方法
この項では、電気主任技術者のうち、第3種の資格取得方法や勉強のコツを紹介します。
3-1.資格は試験を受けて取得するのが一般的
第3種電気主任技術者(以下、電験3種)の資格は、電気技術者試験センターが主催する資格試験に合格する方法と、実務経験を積んで経済産業省から認定を受ける方法があります。認定は試験を受けなくてもいいというメリットはありますが、認定基準が厳しく、担当官の口頭試問にパスしなければなりません。従って、「実務経験の書類を作成して提出するだけで認定される」というものではありません。認定されるまでに時間がかかるなどのデメリットもあります。ですから、ほとんどの人が資格試験の受験を選択します。なお、受験資格は定められていないので、性別・年齢・学歴・職歴に関係なく受験可能です。
3-2.試験は4科目の学科試験
電験3種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目の学科試験です。科目合格が認められています。各科目60点以上の得点で合格となり、3年間で4科目すべて合格できれば試験合格です。なお、どの科目も必ず計算問題があり、公式を自由自在に使いこなせなければ問題を解くのは難しいでしょう。法規でも、3割以上が計算問題です。一夜漬けは効きません。知識を暗記するだけでなく、数学的なセンスも求められる試験です。
3-3.試験は毎年9月に実施
電気主任技術者の試験は、毎年9月上旬に行われるのが一般的です。詳しい日程は電気技術者試験センターのサイトを確認してください。なお、試験の申し込みはサイトから電子申請で行うと便利です。試験費用は、4,850円です(郵送で申し込む場合は、5,200円)。
4.電気設備の管理に関するよくある質問
この項では、電気設備の管理に関する質問を紹介します。
Q.電気工事士は二種を持っていても電気設備管理には役立ちませんか?
A.いいえ。二種を取得したうえで認定電気工事従事者の資格をさらに取得すれば、大丈夫です。一種を取得するには実務経験が必要なので、まずは二種の取得を目指しましょう。
Q.電気主任技術者は電気工事をすることができないのですか?
A.はい。できません。電気工事士の資格が必要です。
Q.電気主任技術者の補佐として保安業務を行う場合は無資格でも大丈夫でしょうか?
A.はい。ただし、電気工事はできません。
Q.電気設備管理はビルメンで働くならば必ず業務に含まれますか?
A.必ずではありませんが、高い確率で含まれているでしょう。
Q.電気工事士と電験3種を両方取得すればかなり有利ですか?
A.はい。とても有利です。
まとめ
今回は、電気設備管理とはどのような仕事かを紹介しました。電気設備管理の求人は有資格者に向けて行われることも多いでしょう。電気設備管理の仕事に就きたいと思ったら、まずは電気工事士や電験3種の資格取得を目指してもいいですね。