絶縁体の材料の種類は?どんなものが使えるの?

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絶縁体とは、電気を通さない物質の総称です。絶縁体が無ければ、電気はあちこちに流れていってしまい、使いこなすことはできません。ですから、電気設備の歴史は絶縁体の発達の歴史でもあるのです。

今回は、絶縁体の種類や材料についてご紹介します。最も身近な絶縁体は、空気やゴム、そしてビニールです。コンセントにも絶縁体が使われているので、私たちは安全に使えます。

では、そのほかにはどんな絶縁体があるのでしょうか? 答えは、この記事を読めば分かりますよ。

  1. 絶縁体とは?
  2. 絶縁体の種類や材料は?
  3. 絶縁材料の選び方

1.絶縁体とは?

絶縁体とは、分かりやすくいうと電気を通さない、もしくは通しにくい物質の総称です。電気を通しやすい物質のことを「導体」といいますが、それに対して絶縁体は「不導体」ともいわれています。絶縁体になる物質の特徴として、絶縁体の価電子が原子としっかりと結合しているのです。

そのような物質を電気伝導体の支持物として使うことで、通したいところにだけ電気を通します。電線やコンセント・コードなどには必ず絶縁体が使われているのです。私たちが安全に電化製品を使えるのも、絶縁体のおかげといえるでしょう。

2.絶縁体の種類や材料は?

絶縁体は、電気設備の進化と共にいろいろなものが開発されてきました。この項では、絶縁体の種類や材料についてご紹介しましょう。電験3種など電気関係の資格を取得したいという方も、ぜひ参考にしてください。

2-1.気体絶縁材料

気体絶縁材料とは、文字どおり気体を絶縁体として使ったもののことです。最も身近な気体絶縁材料は「空気」です。電流が流れているものがすぐそばにあったとしても、その間に空気があれば、電流は流れてきません。このほかにも、六ふっ化硫黄(SF6)ガス、水素ガスなどが気体絶縁材料として使われています。気体絶縁材料のメリットは、軽く、圧力を上げることで絶縁力を高められることです。

また、真空にすると絶縁力が高められるうえに、アーク放電の消弧性能もアップします。デメリットとしては、固体や液体の絶縁材料に比べると、絶縁耐力が落ちることです。気体ですから、風が吹くだけでも絶縁耐力が落ちてしまいます。ですから、絶縁耐力を一定に保ちたければ密閉容器の中に伝導体と絶縁性能のある気体を入れるしかありません。このような気体絶縁材料は、ガス絶縁変電所やガス遮断器でよく使われています。

2-2.液体絶縁材料

液体絶縁材料とは、固体と気体の絶縁材料の中間のような物質です。多くの場合鉱物油が使われ、絶縁体と同時に冷却剤としての効果が期待できます。粘度が低く流動的で、比熱・熱伝導率の大きなものが絶縁材料として最適です。変圧器などに使われることが多いでしょう。

2-3.固体絶縁材料

固体絶縁材料は、私たちの最も身近にある絶縁材料です。架橋ポリエチレンやエポキシ樹脂、塩化ビニル、合成ゴム、などあげればきりがありません。固体絶縁材料は、大きく分けて有機繊維質材料と無機固体絶縁材料の二つに分けられます。有機繊維質材料とは、紙、綿、ポリエステル、ナイロンなど合成や天然の繊維です。

紙は単独では使用せず、絶縁油などに浸されて使われることが多いでしょう。無機固体絶縁材料とは、雲母(うんも)、セラミック、ガラス、アスベストなどがあります。電球やブラウン管にガラスが用いられたのは、ガラスが絶縁体だからです。

アスベストは現在でこそ、健康被害があるということで用いられなくなってきましたが、板状や糸状に加工されて火電線の被覆、絶縁板として使われてきました。さらに、固体絶縁体の中には、絶縁塗料といって塗ることによって絶縁効果を発揮するものもあります。樹脂系の絶縁塗料などが有名です。

3.絶縁材料の選び方

この項では、絶縁材料の選び方についてご紹介します。絶縁材料はたくさんありますが、いったい何を基準に選んだらよいのでしょうか? ぜひ参考にしてください。

3-1.冷却の具合で選ぶ

絶縁体は単に電気を遮断する役割を担っているわけではありません。電気が導体を通過するとき、摩擦で熱を発します。熱が高すぎれば、導体に負荷がかかりすぎることもあるでしょう。ですから、絶縁体が冷却材を兼ねることがあるのです。ですから、伝導体が発熱しやすいものは、絶縁体が冷却材を兼ねるものを選びましょう。逆に、鉱物油などを使うと発火する恐れがありますので注意が必要です。

3-2.値段で選ぶ

絶縁体は、導体の大きさや長さの分必要です。たとえば、電線の場合、数キロメートルは必要でしょう。ですから、あまり高価なものは絶縁体として使えません。いくら優れていても、安価なものの方がよいのです。

3-3.壊れにくさで選ぶ

ガラスや陶器は、安価で加工も容易ですが壊れやすいという欠点があります。ですから、激しく動く導体の絶縁体とは適していません。その代わり、電球のように一か所に静止しているものでしたら、壊れることはそうないでしょう。ですから、電線の絶縁体などにも陶器が使われています。また、陶器やガラスは湿気を寄せ付けません。そのため、湿度の高い場所の絶縁体としても適しているでしょう。

3-4.劣化のしにくさで選ぶ

物質は、どんなものでも一定期間で劣化します。ですから、屋外ではできるだけ劣化しにくい素材が絶縁体として使われているのです。たとえば、ゴム製品は非常に優れた絶縁体でしょう。しかし、ゴム製品やプラスチック製品は日光に当たると劣化してボロボロになっていきます。ですから、まあ風雨にさらされる場所の絶縁体としては不向きです。

逆に室内で使うコードのようなものならば、柔軟性があってどんな形にもなりやすいゴムや樹脂製品が絶縁体として最適でしょう。このように、劣化のしやすさで絶縁体を選ぶのも一つの方法です。

気体絶縁材料は劣化しにくいと言えば劣化しにくいですが、変質もしやすいので安定性に欠けます。特に、空気を絶縁体にした場合、電線の近くに金属製の棒など伝導率が高いものを近づければ感電する危険があるのです。そのため、絶対に感電させてはならないものには使えません。

なお、絶縁体が取れてしまって、むき出しになった電線などは大変危険です。ですから、万が一そのようなものを見つけたら、触らずに電力会社などに連絡してください。

おわりに

今回は絶縁体の材料の種類についてご紹介しました。私たちが思っているより、絶縁体の種類はたくさんあります。また、固体、液体、気体、塗料など形もさまざまです。ですから、どんな絶縁体を使うかによって製品の質や寿命、形まで変わってくるでしょう。さらに、絶縁体の状態は、その装置や電化製品の安全性に関わってきます。たとえば、絶縁体が劣化した状態ならば、漏電の危険性があるでしょう。

また、空気を絶縁体の一部として使っている高圧電線などは、近くに寄ったり金属製の棒など伝導率が高いものを近づけたりすると感電の恐れがあります。最近では、「自撮り棒」というスマートホンをつける棒が高圧電線に近づいて感電するという事故が増えているそうです。ですから、電気設備を管理する方々は、注意が必要でしょう。

不用意に高圧電線など強い電流が流れている場所や装置に近づかないことも大切です。さらに、電線が切れて水たまりに使っているようなときは、近づかないように注意してください。