【解説】放電の種類や原理を知りたい! どんなときに放電が発生するの?

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私たちの身近な現象である「放電」について、その種類や原理を解説します。放電は、落雷や静電気、電池を通じて家電製品が動くなど、さまざまな形で私たちの周りで発生しています。

本記事では、放電の種類や原理を詳しく説明するとともに、放電現象を利用した製品や放電に伴う火災の危険性についても触れます。

放電の仕組みや防止方法を理解することで、より安全な電気利用ができるようになるでしょう。さらに、電気主任技術者の資格を目指す方にも役立つ情報ですので、ぜひお読みください。

  1. 放電とはどのような現象?
  2. 放電の種類は?
  3. 放電にともなう不具合は?

1.放電とはどのような現象?

放電とはどのような現象?

放電とは、電極間にかかる電位の差によってその間にある気体の絶縁が破壊され、電流が発生する現象です。しかし、これだけではよく分からない方も多いでしょう。もう少し具体例をあげて説明をしていきます。

冬になると静電気が発生しやすくなります。金属に触れると指先にパチっと火花が散ることも珍しくないでしょう。これが、放電です。つまり、何もない空間に電流が流れる現象になります。

そのほか、電池やバッテリーで蓄えていた電荷を失うことも放電というのです。ちなみに、この対義語が充電になります。放電は何もない空間の中で必ず電極間で起こります。

また、電流を伝えるものは、電子、宇宙線などにより空気中から電離されたイオン、などです。

金属に触れたときにパチっとなるアレが放電なんですね。
電極間にかかる電位の差によって、その間にある気体の絶縁体が破壊され、電流が流れる現象のことを指します。ほかにも、電池やバッテリーで蓄えていた電荷を失うことも放電といいます。

2.放電の種類は?

この項では、放電の種類についてご説明します。一口に放電といってもいろいろな種類があり、放電の仕方も違うのです。

2-1.非自続放電と自続放電

非自続放電とは、大気中で対向する電極に電圧を加圧することによって発生する、きわめて微弱な電流のことです。電極からの電子放出やイオン生成が行われなくても、宇宙線や自然放射線由来の放射線の気体分子が電離することによって発生します。

自続放電とは、電極から電子放出やイオン生成が起こることによって発生する放電です。通常、放電というと、この放電をさします。自続放電はさらに細かくいくつかの種類に分かれるのです。

2-2.火花放電

自続放電の一種で、電圧の大きさが限界を超えると電極間に火花が確認される放電です。映画やドラマでショートした電気製品が盛大に火花をあげるのを見たことがある方もいるでしょう。

また、火花放電は不連続な放電です。これが連続した放電になるとグロー放電、あるいはアーク放電といわれる現象になります。ちなみに、落雷は積乱雲に帯電した電子が大地との間で起こる大規模な火花放電です。

2-3.コロナ放電(局部破壊放電)

コロナ放電は、とがった電極の周りに不均一の電界が生じることによって起こる持続的な放電です。このとき、電極の周りに発光現象が認められますが、この発光部をコロナといいます。

ちなみに、このコロナとは太陽光のコロナからきているのです。この、コロナ放電現象を利用した電化製品がネオン管になります。このほかにも、ネオンサインなどにも利用されているのです。

2-4.アーク放電

放電の最終形態と呼ばれるものです。このアーク放電を利用したものが蛍光灯やアーク溶接になります。また、放電路における気体分子の電離も電極間の気体圧力により異なるのです。ちなみに、低電圧の場合はグロー放電という現象になります。

2-5.沿面放電

放電現象が起こる気体の中に絶縁体が存在する場合、コロナ放電や火花放電が絶縁体の表面に沿って樹枝状の放電路が形成されます。これを、沿面放電というのです。ちなみに、火花放電が起こった際に絶縁体の表面が変質する場合はトラッキング、伴わないものをフラッシオーバーといって区別されています。

放電といってもいろいろな種類があるんですね。
はい。非自続放電、自続放電、火花放電、コロナ放電、アーク放電、沿面放電、などさまざまで、それぞれ放電の仕方も異なります。

3.放電にともなう不具合は?

放電にともなう不具合とは?

この項では、放電が発生することによって起こる不具合をご紹介します。また、それを防ぐ方法なども一緒にご紹介していきましょう。

3-1.火災

落雷や静電気の火花が可燃性の固体や液体に引火すると火災が発生します。また、雷が人に落ちると感電する恐れがあるでしょう。落雷による火災を防ぐには、避雷針の設置が有効です。

何もない広い空間で落雷に遭遇した場合は、金属製のものを体から離してくぼ地に身を伏せるとよいでしょう。なお、落雷は高い場所に落ちるというイメージがありますが、何もない空間の場合は、人体に落ちることも十分にあり得ます。田園地帯を自転車で走っていた人に落雷したという例もあるのです。

また、木の下に避難した場合は1m以上の間隔を開けましょう。さらに、静電気を帯びた状態で引火性物質に近づくのは大変危険です。セルフサービスのガソリンスタンドに静電気除去装置がついているのは、静電気による火災を防ぐためです。ですから、必ず静電気を大地に逃がしてから給油してください。

3-2.漏電

放電が電化製品の内部などで起こると、漏電になります。また、建物の配線の中で起こっても漏電になるのです。漏電になる原因は、配線の不具合や劣化などが主な原因です。特に、配線にほこりなどがついて火花が散ると火災の原因になるでしょう。

漏電が起これば電化製品そのものがダメになってしまいます。大規模な施設で漏電が起これば、停電や火災の危険性もあるでしょう。電気主任技術者の任務のひとつは漏電が起こっていないか電気設備を定期的に確認することです。万が一漏電が起こった場合は、すぐに対処する必要があります。

3-3.水中の放電に注意

水中は、空気中と同じくらい電気を通します。ですから、水中で放電が起こると水中にいる人は、感電するのです。たとえば、切れた電線が水中に落ちた場合は、そのあたり一帯の生物をすべて感電させてしまうでしょう。

また、通電している電線などを水中に落とした場合も同じです。最近は、スマートフォンを充電しながら入浴し、感電する事故も増えているとか。万が一水中に電線が落ちて人が感電した場合は、水に飛びこんだりしてはいけません。

ゴム長靴やゴム手袋など絶縁体を身につけて、放電をしている物体を取り除きましょう。人の救助はその後です。また、水中に放電している場合は、目に火花などが見えません。そのため、放電している可能性があるところは、必ず絶縁体を身につけてから水中に入りましょう。不用意に入ると、感電する恐れがあります。

放電が発生することで不具合が起こることもあるんですね。
火災や漏電、感電などの危険があります。しっかりと対策を行うように心がけてくださいね。

おわりに

放電の原理と種類についてのまとめ

今回は放電の原理と種類などをご紹介しました。放電の仕組みを利用した電化製品もたくさんあります。前述しましたが、蛍光灯やアーク溶接などは、放電がなくては作れませんし、行えません。しかし、その一方で放電が起これば電気設備や電化製品が故障する可能性があります。ですから、電気主任技術者は放電が正しく行われているのか、定期的に確認をする必要があるでしょう。

特に、大規模な商業施設や発電設備で放電による漏電が起こった場合は、停電などで多くの方に影響があるかもしれません。また、電線が切れているものを発見した場合は、触らずにすぐに最寄りの電力会社に電話しましょう。

特に、電線が水たまりなどにつかっている場合は、水たまり自体に放電されているため、水に触れただけでも感電する恐れがあります。台風など大規模な自然災害が起こった後は気をつけましょう。さらに、誰かが電線に触れて倒れている場合は、木の棒など電気を通さないもので電線を遠くから外してください。