電験の試験で電卓が必要な理由は? 使い方のテクニックと共に解説!

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電気主任技術者(以下、電験)は、事業用電気工作物の保安業務を行える資格です。電気関係資格の中でも需要が高く、取得すれば就職や転職に有利になるでしょう。そのため、多くの人が取得を目指して勉強に励んでいます。その一方で、電験の試験は計算問題が大部分を占めており、難しいことでも有名です。そのため、電卓の持ち込みが許可されています。

そこで、今回は電験の試験で電卓をうまく使う方法を中心に、試験の内容や勉強のコツを解説しましょう。

  1. 電験の試験で電卓が必要な理由
  2. 電卓の選び方と注意点
  3. 電卓の使い方テクニック
  4. 電験の勉強方法
  5. 電験に関するよくある質問

この記事を読めば、電卓の選び方や使い方などもよく分かります。電験の取得を目指している方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電験の試験で電卓が必要な理由

前述したように、電験の試験は計算問題が多数出題されます。電験は理論・法規・機械・電力の学科試験ですが、理論では8割が計算問題です。電気に関する法律の知識が問われる法規でも、4割は計算問題が出題されます。しかも、足し算や引き算など単純な計算だけでなく二乗計算やルート計算などもあり、手計算では時間内に問題をすべて解くことができません。そのため、電卓の持ち込みが許可されているのです。

2.電卓の選び方と注意点

この項では、電験の試験で持ち込める電卓の選び方や注意点を解説します。

2-1.電験の試験に持ち込める電卓

電験の試験会場に持ち込める電卓は、電池内蔵式(太陽電池を含む)の関数電卓以外の電卓です。一般的な電卓といえば分かりやすいでしょう。また、音の出る電卓やスマートフォンの電卓アプリなどは持ち込み不可です。試験を主催する電気技術者試験センターの該当ページに詳しい解説があるので、確認しておきましょう。

2-2.電卓の選び方

電卓は大きさも値段も幅広く、どんなものを購入したらいいか迷ってしまう人もいるでしょう。電卓は、使いやすさと機能を重点に選ぶと失敗しません。たとえば、手のひらサイズの小さな電卓は持ち運びには便利ですが、キーが押しにくく計算に手間取ることもあります。また、二乗やルート計算ができないような電卓は、使い物になりません。さらに、次の項で解説しますが、メモリ機能を使えばもっと早く計算が早くできます。ですから、「M+」や「M-」といったメモリ機能ボタンがついている電卓を選びましょう。数百円~千円前後で、必要な機能がついた電卓は購入できます。また、電卓は購入したら使い慣れておきましょう。

3.電卓の使い方テクニック

複数の計算を組み合わせて問題を解く場合、1つ1つ計算を電卓で行い、出てきた答えを解答用紙にメモしながら問題を解いていく人も多いでしょう。しかし、これでは時間がかかりすぎます。また、メモし間違えるとまた最初から計算をし直さなければなりません。そこで、メモリ機能を有効に活用しましょう。

一つ目の計算をした後、M+のキーを押すとその答えがメモリされます。メモリされた数字に別の数式の和を足したい場合は、RMを押してメモリを呼びだせばいいのです。ですから、(2×2)+(3×3)の計算をしたい場合、2×2M+3×3M+RMとボタンを押せば、答えが一発で出てきます。

ちなみに、RMキーは、メモリした計算の答えを呼びだすボタンで、逆に、CMというボタンはメモリを消去するものです。また、M-ボタンは、数式の後に押せばその値の先頭にマイナスを付けて電卓内にメモリしてくれるので、引き算の時に使用しましょう。つまり、足したり引いたりをメモリ機能で行えば、いちいち紙に書き写す必要はなくなります。

さらに、もう一つ便利な機能に「逆数」があります。これは、a分の1 (1/a)や aのb乗分の1(1/ab)の計算ができるものです。(たとえば電卓の操作で、2 ÷ = とボタンを押した場合に、答が0.5と出てくる電卓が便利です)メーカーによってボタンの操作方法が異なりますので、必ず説明書を確認しておきましょう。そうすれば、いちいち計算をし直す手間が省けます。

4.電験の勉強方法

この項では、電験の勉強方法をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.各科目ごとの計算問題について

前述したように、電験の試験はほとんどが計算問題で、その割合は以下のとおりです。

  • 理論:計算問題8割、文章題2割
  • 電力:計算問題5割、文章題5割
  • 機械:計算問題6割、文章題4割
  • 法規:計算問題4割、文章題6割

これらの計算問題は、公式を利用して解きます。しかし、公式に数字を当てはめるだけでなく応用的な使い方もマスターしておくことが大切です。

4-2.求められる数学のレベル

電験は1~3種まであり、最も取得しやすい3種でも工業高校電気科卒レベルの電気と数学の知識が必要です。ですから、高校レベルの数学はすらすら解けなければ参考書を読んでも理解できません。電気や数学に関する知識がないという人は、まず電気数学の勉強から始めましょう。それでも難しい場合は、中学数学、高校数学の参考書や問題集を解いて知識を取り戻してください。また、電気工事士の試験でも、基礎的な電気数学の知識が必要です。まず電気工事士の試験に挑戦し、段階的に電気数学の知識や使い方を覚えて行ってもいいでしょう。

4-3.普段から電卓を使って勉強しよう

電験の試験勉強は、スマートフォンの電卓機能を使うのではなく、実際に試験会場に持ち込む電卓を使って勉強しましょう。3でご紹介したテクニックは、くり返して電卓を使っていけば覚えられます。また、電卓を使い慣れていけばミスも少なくなるでしょう。

5.電験に関するよくある質問

Q.電験は3種を飛ばして1種や2種を受験しても大丈夫ですか?
A.可能ですが、電験2種や1種は大学の電気科レベルの知識がなければ合格は難しいでしょう。3種でも十分に資格を活用して働けます。

Q.電験は、講習などで取得することはできませんか?
A.指定学科を卒業し、一定の実務経験を積むことで経済産業省 保安監督部に申請して審査を受け、取得する方法もあります。しかし、口頭試問など厳しい審査があるので、簡単ではありません。

Q.電験は過去問と同じような問題は出るのでしょうか?
A.過去問と同じ問題が出ることはほとんどありませんが、過去問と似た問題は出題されています。そういう意味では、過去問はよい練習問題になります。必ず数年分は解いておきましょう。

Q.計算問題を早く解くにはどうしたらいいですか?
A.集中してひたすら問題を解きましょう。数学の勉強と基本は同じです。

Q.数学は高校1年までの知識しかありませんが、どうやって勉強したらいいでしょうか?
A.まず、電気数学の参考書を買い、電気数学の問題を解いてみてください。何とか解けるようになり問題慣れすれば、電験の参考書を読んでも理解できるでしょう。

おわりに

今回は、電験の試験に電卓が必要な理由や使い方のテクニックなどを解説しました。電卓を忘れると、試験の正確な回答はかなり難しくなります。会場で借りることはできませんので、当日は忘れずに持参しましょう。それまでに電卓を使い慣れておくことも大切です。中には、電卓が故障したことを考えて、同じ電卓を2台準備していく受験者もおられるようです。