電験3種の試験は計算問題が中心! その勉強方法は?

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電験3種とは、第3種電気主任技術者の略称で、事業用電気工作物の保安業務を行える資格です。電気関係の資格の中では難易度が高い資格の1つであり、取得すれば就職・転職に大変役立ちます。学生から社会人まで人気の資格なため、取得を目指して勉強に励んでいる人も多いでしょう。電験3種の試験は計算問題が多いことが特徴です。

そこで今回は、電験3種に出題される計算問題を中心に、資格取得の方法などを解説します。

  1. 電験3種の基礎知識
  2. 電験3種の試験における計算問題について
  3. 電験3種の試験勉強について
  4. 試験の申し込み方法
  5. 電験3種の計算問題に関するよくある質問

この記事を読めば、電験3種に合格するための勉強方法についてもバッチリです。電験3種の取得を目指す人は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電験3種の基礎知識

電験3種とは、電気主任技術者の資格区分のひとつで、電圧が5万V未満の事業用電気工作物の保安監督業務を行える資格です。電気主任技術者の中では最も下位の資格区分ですが、取得すればオフィスビルや商業施設・学校・ホテルなどの多くの施設で電気設備の保安監督業務を行えます。

また、電気主任技術者の中では最も取得しやすい資格ということで、学生から社会人まで人気です。取得すれば、未経験でも一定の求人もあり、経験を積めば独立もできます。工業高校や大学で電気関係の勉強を行っている人や、電気関係の仕事に就いている人は、取得しておいて損はないでしょう。

2.電験3種の試験における計算問題について

この項では、電験3種の試験や出題される計算問題について解説します。どのような問題が出題されるのでしょうか?

2-1.電験3種の試験問題について

電験3種の試験科目は、理論・電力・機械・法規の4科目の学科試験です。実技試験や口頭試問はありません。また、科目合格が認められており、1科目につき6割以上の得点で合格です。ただし、平均点が低い場合は6割未満の得点でも合格になるケースもあります。3年以内に4科目すべて合格すれば、総合合格となり、資格取得が可能です。

ちなみに、電験3種に合格するには、工業高校の電気科を修了したレベルの知識が必要と言われています。

2-2.試験における計算問題の割合

資格試験の問題というと、知識を問う暗記問題が多いのですが、電験3種は計算問題が多数出題されます。ちなみに、文章題(暗記問題)と計算問題の割合は、以下のようなものです。

  • 理論:計算問題8割、文章題2割
  • 電力:計算問題5割、文章題5割
  • 機械:計算問題6割、文章題4割
  • 法規:計算問題4割、文章題6割

このように、法規以外はすべて計算問題が文章題と同じくらいか、多くなっています。また、近年は法規の計算問題も増えてきているので、計算問題が解けなければ、まず合格は不可能です。

2-3.どのような計算問題がでるのか?

電験3種で出題される計算問題は、ほぼ公式を利用して解く問題です。中学や高校の物理で電気を勉強したことがある人ならば、オームの法則をはじめとする各種公式を覚えた人も多いでしょう。電気の公式はそれ以外もたくさんあります。電験3種の計算問題は、この公式を暗記し、問題に応じた使いかたをマスターすることが大切です。

2-4.数学的なセンスも必要

また、電験3種の計算問題は、三角関数やベクトル・複素数などの知識も必要です。数学の知識やセンスがないと、参考書を読んで公式を覚えようとしても、理解できないことが多いでしょう。最低でも高校1年生程度の数学や幾何学の問題は、スラスラ解けるくらいの実力は必要です。

2-5.計算問題が多い試験のメリット

さて、ここまで記事を読んでこられた人は、「なんて難しい試験なんだ」と思われたかもしれません。実際、電験3種の合格率は、平均で10%前後です。しかし、計算問題が試験の半分以上を占めるということは、計算問題さえ間違えずに解けば、必ず得点になります。ただし、マークシート方式ですので計算式が合っていれば部分点をもらえるということはありません。学生時代に数学や物理の計算問題が得意だった人にとっては、むしろ点が取りやすい試験でしょう。

3.電験3種の試験勉強について

この項では、試験勉強のコツや計算問題の勉強方法などを解説します。ぜひ、参考にしてください。

3-1.数学が得意・電気の知識がある人の勉強方法

数学が得意だったり、すでに電気工事士などの資格を取得している人の場合は、参考書を読みながら過去問を解いてみましょう。電験の試験は過去問と同じ問題が出ることはまずありません。しかし、どのような公式が出やすいのか、公式のあてはめかたなどは分かります。計算問題を解いているうちにコツもつかめてくるでしょう。電験3種の勉強を始めたら、試験の1か月前までは計算問題中心に勉強してください。解けば解くほど、正解率も上がってきます。

3-2.数学が苦手な人・知識が全くない人の勉強方法

数学が苦手な人は、まず自分がどこまでの数学を理解できるか確認してみましょう。中学生レベルの数学の問題集を1冊購入し、解いてみてください。難なく解ける人は高校生の数学の問題集を解いてみましょう。高校生レベルの問題が解けるならば、電気数学の参考書を1冊買って勉強してみてください。そうすれば、公式の種類や利用方法が理解できるようになります。

中学生・高校生レベルの問題につまづくという場合は、まず、高校3年生レベルの問題をすらすらと解けるようになりましょう。電気数学の参考書に出てくる例題がスムーズに解けるようになったら、はじめて電験3種の参考書や過去問に目を通してみてください。後は、前項で紹介した方法と同じように、過去問をどんどん解きましょう。計算問題の数をこなせば、公式の応用方法も分かってきます。

3-3.全体の勉強方法

さて、計算問題以外にも電験3種は文章題が出題されます。文章題は暗記が中心です。ですから、試験1か月前くらいから勉強を始めましょう。あまり早くから勉強を始めると、覚えても忘れてしまいます。試験半年前から勉強を始めるとして、最初の5カ月を計算問題に、後の1か月を文章題の勉強に費やしましょう。もちろん、文章題の勉強をしながら計算問題の演習も行ってください。

なお、電験3種は科目合格が認められていますが、最初から「この学科の合格だけを目指す」という方法は、あまりおすすめできません。電験3種の試験は何年かに1度、出題傾向が変わります。

また、今までほとんど出なかった分野が急に出題され、難易度がぐんと上がることもあるでしょう。一点集中で勉強してきた科目がこのようなことになった場合は、目も当てられません。すべての科目をまんべんなく勉強しておきましょう。

4.試験の申し込み方法

電気主任技術者の試験は、毎年9月上旬に行われます。詳しい日程等につきましては電気技術者試験センターのホームページを確認してましょう。試験の申し込みは、センターのホームページから電子申請を行うのが便利です。試験費用は、4,850円になります。

5.電験3種の計算問題に関するよくある質問

Q.電験3種の試験は、電卓を使えますか?
A.はい。関数電卓以外なら試験会場に持ち込み可能です。

Q.自分の数学理解度がどのくらいか分かりません。
A.ではまず、電験3種の参考書をどれでもいいので、読んでみてください。全く理解できなければ、電気数学の参考書を読んでみましょう。ここで理解できれば、電気数学の勉強から始めます。理解できない場合は、高校、中学とレベルを落としていって、どこまでなら理解できるか確かめてください。

Q.公式を丸暗記すれば計算問題は解けますか?
A.いいえ。公式を丸暗記しても、公式をどう使うか分からなければ問題は解けません。

Q.公式の応用方法はどうすれば身につきますか?
A.とにかくたくさんの計算問題を、過去問や予想問題を利用して解きましょう。

Q.計算問題が満点ならば、文章題が0点でも大丈夫ですか?
A.計算問題だけで6割以上得点できる科目なら、合格できるでしょう。

おわりに

今回は計算問題を中心に電験3種の試験について解説しました。計算問題がスラスラ解けるようになれば、電験3種の試験は突破できます。暗記は試験1か月前から取り組めば間に合いますので、まずは計算問題の勉強から始めましょう。