電気設備の技術基準を定める省令って何?資格取得に必要?

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電気は私たちの暮らしになくてはならないものです。建築物を造ったり建物をリフォームしたりする際、電気工事は欠かせません。しかし、電気は扱い方や工事の仕方を間違えると火災をはじめとする災害の原因になります。そのため、電気設備に関する技術基準を定める省令という決まりで、電気設備の維持、工事、安全の要件を具体的に定めているのです。

そこで今回は、電気設備に関する技術基準はどのような省令か、ということとそれに定められた資格についてご紹介しましょう。

  1. 電気設備に関する技術基準を定める省令とは?
  2. 電気設備の技術基準の解釈とは?
  3. 電気設備の技術基準の解釈にはどんなことが定められているの?
  4. 電気工事法って何?
  5. 電気工事士の資格を取得するメリットと資格取得の方法
  6. 電気設備の技術基準を定める省令に関するよくある質問

電気工事に関する資格は、需要が高いので社会人にも人気があります。取得を目指している方は電気設備に関する技術基準を定める省令に対する知識は必須です。ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.電気設備に関する技術基準を定める省令とは?

私たちの生活に電気は欠かせないものです。建物内で電気を使うには電気工事が必要です。設置した電気設備を安全に使うためには定期的な点検が欠かせません。工事がいい加減だったり、点検を怠ったりすれば漏電やそれを原因とする火災などが起こります。

また、電気には「電圧」という電気を流そうとする力があるのです。この電圧が強すぎたり逆に弱すぎたりすれば、電磁波障害をはじめとする不具合が起こるでしょう。このような電気の安全を確保するために制定されたものが「電気設備に関する技術基準を定める省令」なのです。

電気事業法に基づき、電気工作物(家庭用・商業用の電気設備)に適用される技術基準、審査基準になります。つまり、電気工事に関わる方が必ず知っておかなければなりません。そのため、電気工事をはじめとする電気に関わる資格を取得するための試験には、この省令に関する問題も出されます。

この省令は、1911年(明治44年)に制定され、1997年(平成9年)に全面改訂され、今に至っているのです。

2.電気設備の技術基準の解釈とは?

さて、電気設備に関する技術基準を定める省令と併せて覚えておきたいのが、「電気設備の技術基準の解釈」です。これは、原子力安全・保安院電力安全課によって原案が作成され、現在は経済産業省商務流通保安グループ電力安全課に作成が引き継がれているものです。電気設備に関する技術基準を定める省令が、定めた技術的要件を満たす技術的内容をできるだけ具体的に示したものです。

もう少し具体的に説明しましょう。電気設備に関する技術基準だけでは、電気工事の基本的なことしか書かれていません。

そこで、具体的にどのような決まりにそって工事を行ってよいか、という補足説明がこの「電気設備の技術基準の解釈」になのです。経済産業省の産業保安のページに掲載されているので、必要とあれば目を通しておきましょう。電気工事士は、この解釈にそって工事をしなければなりません。また、電気工事士の試験にはこの解釈についての問題も出題されます。

3.電気設備の技術基準の解釈にはどんなことが定められているの?

電気設備の技術基準の解釈は、前述したように電気工事の技術的内容を具体的に記したものです。ですから、電圧、電線の種類や太さ、絶縁や接地の条件、電線の張り方、漏電電流の防ぎ方などが具体的な数値とともに記されています。

また、電気設備基準の解釈をさらに補完するための「内線規程」という民間自主規格があるのです。これは、電気設備の保安の確保や電気の安全を保つために電力会社が電力供給をするのにあたって、需要施設の電気工事の審査や検査に利用するものです。電気法規に準ずる規定として定められているのです。

電気工事士の資格取得を目指している方は、目を通しておきましょう。電気設備の技術基準の解釈については、前述した経済産業省の産業保安のページからPDFがダウンロードできます。

また、日本電気技術者協会のホームページでは、解説を音声つきで聞くことができるのです。文章を読んでもよく分からないという方は、このホームページに記載されている解説を読んだり聞いたりしてみましょう。

4.電気工事法って何?

電気工事法とは、電気工事に従事するものの資格や義務、さらに電気工事の欠陥による災害の防止について定められている法律です。つまり、電気設備に関する技術基準を定める省令を守らなければならない、電気工事に従事する人に関する法律になります。この法律によって、電気工事に従事できる資格者が定められているのです。それが、電気工事士(一種、二種)特殊電気工事資格者(ネオン)(非常用予備発電装置)、認定電気工事従事者。電気工事士以外はあまり知名度がありませんが、特殊電気工事資格者は、ネオン設備、そして非常用予備発電装置だけを工事できる資格になります。

ちなみに、この資格は、電気工事士がそれぞれの認定講習を受けることで取得できるのです。また、この法律で定められた有資格者以外は、家電の設置以外の電気工事はできません。

なお、電気工事士と同じくらい人気の電気に関する資格である「電気主任技術者」は、電気設備に関する技術基準や電気設備の技術基準の解釈に基づいて、保安や点検を行います。電気事業法に照らして一定の電気工作物を設置しているところは、定期的な保守点検が必要なので、こちらも需要が高い資格といえるでしょう。

5.電気工事士の資格を取得するメリットと資格取得の方法

この項では、電気工事の資格である電気工事士を取得するメリットと資格取得の方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

5-1.電気工事士の資格の種類と資格取得のメリット

電気工事士の資格は、一種と二種があります。第一種は、500kW未満の自家用電気工作物および一般用電気工作物の工事ができます。第二種は一般用電気工作物の工事ができます。電気工事士の資格がなければ、電気工事はできません。ですから、電気工事を行う業者は必ず有資格者を雇わなければならないのです。

また、個人で電気工事会社を設立することもできます。電気関係の仕事に就くには、必ず取得しておいた方がよい資格です。

この資格を取得した後、さらにできることを広げるために電気主任技術者の資格を取得する方も少なくないでしょう。電気工事士の試験を受けるための受験資格はありません。しかし、第一種は免許交付を受けるために実務経験が必要です。

そのため、全く別分野から電気工事士の資格を取得して転職したいという場合は、まず第二種電気工事士を取得してから実務経験を積んで第一種電気工事士にチャレンジするとよいでしょう。

5-2.試験を受ける方法と科目

電気工事士の試験を受けるには、電気技術試験センターのホームページ経由で試験の申し込みをしましょう。試験は、第二種だけ上半期と下半期に分かれています。両方の試験の申込が可能になりました。

試験は筆記試験と技能試験に分かれており、筆記試験に合格した人だけ技能試験が受けられます。技能試験では、実際に電気工作物を作るため、工具一式をそろえなければなりません。ですから、試験前に工具を一式そろえてください。

筆記だけ合格し、技能試験が不合格という場合は、次回に行われる筆記試験に限って、免除になります。筆記試験は全体の6割で合格です。合格率は3割~4割です。独学でも十分に合格可能な試験になります。

5-3.独学か?通信教育か?

電気工事士の勉強法には独学か通信教育の二つの方法があります。独学の場合は書店で参考書と過去問を買ってきて勉強をしましょう。

また、実技試験の練習用キットもインターネット通販などで販売されています。これらを利用すれば独学で技能試験が合格できるでしょう。ただし、全く知識のない状態ですと少し難しいかもしれません。全く電気と関わりのない仕事をしていたが、電気工事士の試験を受けたいという場合は通信教育がお勧めです。技能試験のキットや動画による解説などもついていますので、より分かりやすいでしょう。

なお、電気工事士の試験は計算問題が出てきますが、電気主任技術者の試験のように電卓の持ち込みができません。そのため、計算力を鍛えておきましょう。独学の場合はとにかく過去問をくりかえしてください。そうすれば独学でも合格できます。

6.電気設備の技術基準を定める省令に関するよくある質問

Q.電気に関係する仕事に就いた場合、覚えておかなければ不利でしょうか?
A.覚えておかなければ仕事ができないわけではありませんが、なぜこのように工事をしなければならないのか、ということが分かります。知っておくに越したことはありません。

Q.エアコン設置工事は資格がいらないと聞きましたが、省令的にはどうなのでしょうか?
A.エアコン設置工事も資格が必要です。家電の設置にあたると解釈しているところもありますが、摘発もされています。設置工事に関わるなら電気工事士の資格を取得しましょう。

Q.省令の文章がややこしくて覚えられません。どうしたらよいでしょうか?
A.分かりやすい解説書も販売されていますので、利用してみてください。電気設備技術研究会 オーム出版「絵とき電気設備技術基準・解釈早わかり」などがお勧めです。

Q.電気工事士は必ず試験を受けなければ取得できませんか?
A.第二種の場合は大学や専門学校で所定の単位を取れば取得できます。また、電気主任技術者の資格を取得すれば、実務経験を積むことによって自動的に取得できるのです。

Q.自分の家でも自分で電気工事をしてもいけませんか?
A.所有物件でも無資格者が電気工事をすることは法律で禁じられています。

まとめ

今回は電気設備の技術基準を定める省令についていろいろとご紹介しました。省令ということで言葉遣いも難しく、一読しただけでは理解できないかもしれません。しかし、目を通しておくに越したことはありませんので、解説書などを利用して理解する努力をしてください。