電気設計の資格をご紹介!電気工事に必要な資格を取得しよう!

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電気は、私たちの生活に必要不可欠になっています。電気の工事や設計は、回路や配線器具・電線管・ケーブルの選定など基礎知識から専門的な知識まで幅広く習得することが大切です。きちんと正しい知識を持っていなければ、安全・安心して電気を扱うことができません。特に、電気の設計や工事にたずさわる仕事をしている方は、専門知識が必要になります。

そこで、電気の設計とは何なのか、関連する資格の種類など詳しく説明しましょう。

  1. 電気の設計とは
  2. 電気の設計の資格について
  3. 電気工事士とは
  4. 電気主任技術者について
  5. 電気工事施工管理技士について
  6. 電気通信主任技術者について
  7. 電気の設計や資格に関してよくある質問

この記事を読むことで、電気の設計に必要な知識が身につきます。関連する資格の種類がわかり、自分に合った資格試験を選ぶことができるでしょう。電気の設計に関する資格が知りたい方は必見です。


1.電気の設計とは

電気の設計に関する資格を知る前に、まずは、電気設計の基礎を知る必要があります。電気の設計はどんなものなのか、メリットなど詳しく見ていきましょう。

1-1.どんなものか

電気設計は、主に電気回路・電子機器・機械などの開発・設計・検証・不具合対応を行うことです。図面作成や修正・評価など幅広い業務を担当します。電気設計は電気を使用する設備や機器の‟制御部分”にあたる回路設計です。設計に必要な複数のCADソフトやアプリケーションソフトへの対応がある程度必要になるでしょう。CADソフトとは、コンピューターを使用して設計・製図をするシステムのことです。

1-2.求められる職場について

電気設計を求められる職場は、電気設備関連の仕事にたずさわる場所です。たとえば、電気・電子・精密機器を開発している会社や電気設備会社・管理会社・家電メーカー・建築会社・IT関連など幅広い職場があります。‟設計エンジニア”として働くことになり、専門知識を得ている有資格者は特に優遇される存在です。

1-3.メリット

電気の設計は、常識にとらわれない技術力が求められます。幅広い機械の電気設計を手がけることで、一流の技術者へと成長でき、多くの現場で重宝されるでしょう。単に、電気回路設計技術だけではなく、メカやソフト技術においても関心を持つとよりスキルアップを目指すことができます。電気設計の職場は幅広いので、あらゆる経験をして知識を習得できるメリットがあるのです。

2.電気の設計の資格について

電気の設計に必要な資格は思っている以上にたくさんあります。代表的な資格を中心に、電気・設計それぞれの種類を紹介しましょう。

2-1.電気の資格について

電気の資格といえば、「電気工事士」が最も有名です。電気工事士は電気工事士法によって定められている電気工作物の工事ができる資格になります。直接、電気工作物の工事を行いたいのなら取得したほうがいいでしょう。また、電気工作物の維持・管理・運用ができる「電気主任技術者」も人気があります。ほかには、電気工事業の事業所ごとに選任する「電気工事施工管理技士」や「技術士(電気・電子)」など多種多様です。電気資格の一覧が以下のURLから確認できます。

電気資格一覧

2-2.設計の資格について

設計の資格で最も有名なのが、「建築士」です。建築士は建物の設計や製図ができる資格になります。建築士に対して設計・工事監理のアドバイスができる「建築設備士」、測量に関する計画の作成・実施を行う「測量士」など多種多様です。

2-3.資格習得の必要性・メリット

資格習得は「就職・転職」「昇給・昇格」「スキルアップ」といったメリットがあります。多くの企業が専門知識を持っている有資格者を求めているのです。有資格者のニーズは高くなっているので、就職・転職に役立ちます。また、資格手当など昇給も期待できるでしょう。有資格者として経験を積めば積むほど、スキルアップできますよ。

3.電気工事士とは

電気工作物の工事ができる「電気工事士」の概要・職務・試験などを紹介します。電気工事士の資格取得を考えている方はぜひチェックしてください。

3-1.電気工事士の概要・職務

ビル・工事・商店・一般住宅などの電気設備は、安全を守るために工事・管理をしなければなりません。法令によって定められている電気工作物の工事は「電気工事士」だけができるものです。電気工事士には第一種・第二種があり、それぞれ工事できる種類が異なります。

  • 第一種:第二種の範囲と最大電力500キロワット未満の工場・ビルなどの工事
  • 第二種:一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事

3-2.試験について

それでは、電気工事士の試験概要について見ていきましょう。

3-2-1.受験資格

電気工事士の受験資格はありません。性別・年齢・学歴関係なく誰もが受験できます。しかし、電気工事1種は一定の実務経験が必要です。まったく実務経験のない方が合格しても、経験を積まなければ免状は交付できません。一方、電気工事2種は未経験者でも免状が交付できます。

第1種資格取得フロー

3-2-2.試験概要

電気工事士の試験は一般財団法人電気技術者試験センターが実施しています。第1種は年に1回、第2種は年に2回の開催です。試験地は筆記試験が札幌・仙台・新潟・さいたま・名古屋・金沢・大阪・広島・高松・福岡および那覇の全国各12か所になります。技能試験はさいたまをのぞく11か所です。申し込み方法は、インターネット申し込みと郵送申し込みになります。申し込み方法によって受験料が異なるので注意してください。第1種の郵送申し込みは11,300円、ネット申し込みは10,900円、第2種の郵送申し込みは9,600円、ネット申し込みは9,300円です。

3-2-3.受験者数・合格率

電気工事士の受験者数は第1種が5万人前後、第2種がおよそ10万~15万人です。近年、第2種の受験者数が急増しています。未経験からでも受験できる第2種は挑戦しやすい点が主な理由です。合格率は、第1種が60%前後、第2種が55%前後になります。第1種を受ける方は実務経験を積んでいる方が多いので合格率が高くなっているのです。

3-2-4.試験科目・内容

電気工事士の試験は、第1種・第2種ともに筆記試験と技能試験があります。筆記試験に合格した方だけが、技能試験を受けることができるのです。それぞれ試験の内容は以下のとおりになります。

第1種
学科試験

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論および配線設計
  • 電気応用
  • 電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料・工具・受電設備
  • 電気工事の施工方法
  • 自家用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 発電施設・送電施設および変電施設の基礎的な構造・特性
  • 一般用電気工作物および自家用電気工作物の保安に関する法令

技能試験

  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器および配線器具の設置
  • 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料・工具の使用方法
  • コードおよびキャブタイヤケーブルの取りつけ
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定
  • 自家用電気工作物の検査
  • 自家用電気工作物の操作および故障個所の修理

第二種
学科試験

  • 電気に関する基礎理論
  • 配電理論および配線設計
  • 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料・工具
  • 電気工事の施工方法
  • 一般用電気工作物の検査方法
  • 配線図
  • 一般用電気工作物の保安に関する法令

技能試験

  • 電線の接続
  • 配線工事
  • 電気機器および配線器具の設置
  • 電気機器・配線器具ならびに電気工事用の材料・工具の使用方法
  • コードおよびキャブタイヤケーブルの取りつけ
  • 接地工事
  • 電流・電圧・電力および電気抵抗の測定
  • 一般用電気工作物の検査
  • 一般用電気工作物の故障個所の修理

3-3.講習について

第1種電気工事士は交付を受けた日または定期講習を受けた日から5年以内ごとに講習を受けなければなりません。講習は法律で義務づけられているものです。講習を受けなければ免除が取り消される可能性もあるため、必ず受講しましょう。第1種電気工事士定期講習は、電気工事技術講習センターが実施しています。

電気工事技術講習センター

4.電気主任技術者について

電気主任技術者は、受電設備や配線など電気設備の保安監督を行います。作業員をまとめ、指示を出す役職なので社会的評価が高い資格です。

4-1.資格概要

電気主任技術者の等級は、第1種・第2種・第3種の三種類があります。資格の種類によって、取り扱うことができる電圧が異なるのです。

  • 第1種:すべての事業用電気工作物
  • 第2種:電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物
  • 第3種:電圧が5万ボルト未満の事業用電気工作物

4-2.必要性・メリット

電気主任技術者は、電気設備の点検・保安・修理を行うとともに、監督責任を持ちます。電気設備に関する知識はもちろんのこと、責任ある立場で働くことができるのです。人をまとめる能力を養えるでしょう。電気設備の所有者・事業者から重宝される資格です。

4-3.職務・職場

電気主任技術者は、一定の従業員が働いている現場が職場になります。主に、電気設備の点検・保安・修理を行いますが、監督として従業員に指示・指導をしていかなければなりません。常に現場の状況を把握することが大切です。

4-4.試験について

それでは、電気主任技術者の試験概要について詳しく説明していきましょう。電気主任技術者の資格取得を目指している方は、ぜひチェックしてください。

4-4-1.受験資格

電気主任技術者は受験資格がありません。年齢・性別・学歴問わず、誰もが受験できる資格になります。

4-4-2.試験概要

年に1回実施されている試験は、一次試験と二次試験にわかれています。第1種・第2種の一次試験は9月上旬、二次試験は11月下旬ごろです。第3種は一次試験だけの実施で、9月上旬ごろに行われます。主催は電気技術者試験センターです。

電気技術者試験センター

4-4-3.試験内容

電気主任技術者の試験内容は一次試験が4科目のマークシート方式、二次試験が2科目の記述方式です。詳細は以下のとおりになります。

一次試験

  • 理論:電気理論・電子理論・電気計測および電子計測
  • 電力:発電所および変電所の設計および運転・送電線路および配電線路の設計・運用・電気材料
  • 機械:電気機器・パワーエレクトロニクス・電動機応用・照明・電熱電気化学・電気加工・自動制御・メカトロニクスならびに電力システムに関する情報伝送および処理
  • 法規:電気法規および電気施設管理

二次試験

  • 電力・管理:発電所および変電所の設計および運転・送電線路および配電線路の設計・運用・電気施設管理
  • 機械・制御:電気機器・パワーエレクトロニクス・自動制御およびメカトロニクス

4-4-4.難易度

国家資格の1つである「電気主任技術者」の難易度は「やや難しい」から「普通」です。合格率は、第1種・第2種ともに2~4%前後、第3種は10%前後になっています。10%に満たないほど難しい試験なので、きちんと計画性を持った勉強が必要です。

4-5.認定について

電気主任技術者は「認定されている学校において単位を取得し卒業した者」「法令に定められた実務経験」がそろえば、国家試験を受けることなく免状が取得できます。認定条件は、以下の日本電気技術者協会のホームページを確認してください。

日本電気技術者協会

5.電気工事施工管理技士について

建築業界の‟電気”に関係する資格である「電気工事施工管理技士」について説明します。

5-1.資格概要

電気工事の監督・管理を行う上級技術者が「電気工事施工管理技士」です。等級は1級・2級があり、従事できる職務の範囲が異なります。1級は特定建設業の主任技術者・監理技術者に、2級は一般建設業の主任技術者になれる資格です。

5-2.必要性・メリット

電気工事施工管理技士は、電気工事の施工計画作成や工事の工程・安全管理を行うために必要な資格です。電気工事業界では重宝される有資格者なので就職・転職が有利になります。資格手当が支給される可能性もあり、昇給・昇格も期待できるでしょう。

5-3.職務・職場

電気工事施工管理技士の主な職務は、電気工事の施工に関することです。施工計画作成はもちろんのこと、全体的な施工の状況を常に把握しておかなければなりません。主に、ビルや商業施設・ホール会場・遊技場など電気設備のある場所が職場になります。

5-4.試験について

電気工事施工管理技士の資格を取得するには、試験に合格しなければなりません。これから、試験概要について説明しましょう。

5-4-1.受験資格

受験資格は1級・2級ともに学歴・実務経験など細かく決められています。誰もが受験できるわけではないので注意してください。最低でも1年、最長で15年の実務経験が必要です。受験資格の詳細は、建設業振興基金のホームページで確認できます。

1級受験資格2級受験資格

5-4-2.試験概要

1級・2級ともに学科試験と実施試験があります。試験は年に1回開催されており、主催は建設業振興基金です。学科試験は毎年6月ごろ、実地試験は10月ごろに実施されています。2級は学科試験・実施試験が同日におこなわれているのです。

5-4-3.試験内容

学科試験の試験内容は、1級・2級ともに「電気工学」「施工管理法」「法規」の3科目です。実施試験科目は、「施工管理法」に関する筆記試験になります。

5-4-4.難易度

電気工事施工管理技士の難易度は「普通」です。合格率は1級がおよそ25%前後、2級がおよそ35%~40%になります。

6.電気通信主任技術者について

電気の設計や工事に関する資格に、「電気通信主任技術者」があります。電気通信主任技術者は、一体どんな資格なのでしょうか。

6-1.資格概要

電気通信主任技術者は、事業用の電気通信設備の工事や維持および運用に関する事項を監督する必要な資格です。電気通信事業者は有資格者を選任しなければなりません。

6-2.必要性・メリット

事業用電気通信設備に関する工事ができる唯一の資格なので、多くの電気通信事業者から重宝されています。無資格者よりも有資格者を採用するのは確実です。転職・就職に役立つのはもちろんのこと、昇給やスキルアップにもつながります。事業用電気通信設備に関連する仕事に必要な資格といってもいいでしょう。

6-3.職務・職場

主な職務は、電気通信ネットワークの工事や維持・運用などです。職場は電気通信設備がある場所になるでしょう。電気通信事業を行なっている会社・企業で努めることになります。

6-4.試験について

それでは、電気通信主任技術者の試験について詳しくチェックしていきましょう。

6-4-1.受験資格

電気通信主任技術者に受験資格はありません。誰もが受験できる資格です。また、資格の種類が「伝送交換主任技術者」と「線路主任技術者」があります。

  • 伝送交換主任技術者:電気通信事業の用に供する伝送変換設備や付属する設備の工事・維持・運用
  • 線路主任技術者:電気通信事業の用に供する線路設備および付属する設備の工事・維持・運用

6-4-2.試験概要

国家試験となる電気通信主任技術者の試験は、日本データ通信協会の電気通信国家試験センター主催です。年に2回、7月・1月ごろに実施されています。試験は筆記試験だけで、マークシート式の問題です。

6-4-3.試験内容

試験は午前に「法規」と「設備」、午後は「設備・専門システム」の組み合わせになっています。伝送交換主任技術者は試験科目に「伝送交換設備および設備管理」と「伝送・無線・交換・データ通信および通信電力に関する専門的能力」が含まれているのです。しかし、線路主任技術者には含まれていません。線路主任技術者は、試験科目に「通信線路・通信土木および水底線路に関する専門的能力」「線路設備および設備管理」が入っています。

6-4-4.難易度

電気通信主任技術者の難易度は「やや難しい」です。合格率を見てみると、伝送交換がおよそ22%、線路がおよそ15%になっています。合格率が低いので、しっかり勉強を続けることが合格のポイントになるでしょう。

6-5.講習について

電気通信主任技術者は選任されたとき、講習を受けなければならないと法律で決められています。講習日の翌月1日から起算して、3年以内に講習を受けてください。講習内容は「伝送交換」と「線路」の2種類があります。資格者証の種類によって受講の内容が変わるので注意してください。講習は日本データ通信協会が実施しています。

日本データ通信協会

7.電気の設計や資格に関してよくある質問

電気の設計に関してよくある質問を5つピックアップしました。

Q.電気主任技術者の年収はいくらか?
A.電気主任技術者の平均年収は、およそ500万~800万円です。第3種の平均が500万円なので、第2種・第1種とレベルが上がるほど年収も高くなります。

Q.電気の制御盤とは?
A.制御盤とは機械を理想どおりに動かすためのものです。大まかに「動力回路」と「制御回路」の二つにわかれています。

Q.電気設計にCADの資格は必要か?
A.設計者の下書きをCADを用いて自分で完成させるのなら、CADの知識を習得しておいたほうがいいでしょう。しかし、専門のCADオペレーターがいるのなら資格を取得せず、ある程度扱えれば問題ないです。

Q.電気主任技術者の過去問が知りたい。
A.電気主任技術者の過去問は、電気技術者試験センターのホームページからダウンロードできます。ぜひチェックしてみてください。

電気技術者試験センター

Q.資格取得のコツは?
A.電気の設計に関する資格を取得するには、毎日勉強することが大切です。1日数分間でもいいので、テキストが見られる環境をつくってください。1日を使って一気に勉強するよりも毎日続けたほうが暗記しやすいです。

まとめ

電気の設計は専門の知識を持っていないとできません。電気工事士や電気主任技術者・電気施工管理技士・電気通信主任技術者など関連する資格を取得してください。しっかり電気設備の回路や配線などを理解し、経験を積んでいけばスキルアップにもつながります。また、有資格者は転職・就職に有利です。スキルアップ・就職・転職のためにも、ぜひ資格を取得してください。