太陽光発電の特徴や仕組みを解説! メリット・デメリットは?

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自然エネルギーを活用した「太陽光発電」の仕組みはどうなっているのでしょうか。電験3種資格取得のためには、太陽光発電の仕組みを理解しておかなければなりません。

そこで、太陽光発電の特徴や仕組み、メリット・デメリット、発電量や効率について詳しく説明します。最近では、太陽光発電を導入する企業・家庭が増えてきました。太陽光発電のメリット・デメリットもチェックしてくださいね。

  1. 太陽光発電の特徴・仕組み
  2. 太陽光発電のメリット・デメリット
  3. 太陽光発電の発電量や効率

1.太陽光発電の特徴・仕組み

太陽の光を利用して発電するのが「太陽光発電」です。太陽光発電は一体どんな仕組みで成り立っているのでしょうか。これから、太陽光発電の特徴と仕組みについて説明していきたいと思います。

1‐1.太陽の光エネルギーを電力に変える

水力発電は「水」を、風力発電は「風」を利用しています。太陽光発電は「太陽の光」からくるエネルギーを電力に変えるのが特徴です。雲が出ていない限り、太陽の光は地上にふりそそぎます。自然エネルギーなので石炭や石油など資源に限界がありません。太陽の光エネルギーを電力に変えるため、「太陽電池」が必要になります。太陽電池が光エネルギーを吸収して現象を起こすのです。

起きている現象は、「光起電力効果」や「光電効果」と呼んでいます。太陽電池に光が当たることで、半導体の電子が働き電気が生まれるのです。太陽の光と電池さえあれば、太陽光発電が可能になります。

1‐2.太陽電池にはさまざまな種類がある

太陽光発電には「太陽電池」が必要です。太陽電池にはさまざまな種類があることを知っていましたか? 主な種類は、シリコン系・有機系・化合物系の3種になるでしょう。太陽電池の種類によって発電効率がまったく異なります。現在、世界各国を見ても最も使用しているのがシリコン系の太陽電池です。

世界の生産量およそ8割を占めているほど主流になっています。シリコン系の太陽電池は、エネルギーの変換効率が非常に高いです。ほかの種類と比べると、変換効率はおよそ13%~18%になっています。

高性能のシリコンであれば、およそ20%まで変換効率が上がることもあるのです。(どんどん進歩しています)電池の種類によって変換効率が異なるので注意してくださいね。

1‐3.太陽電池をつなげた「ソーラーパネル」

太陽電池をたくさんつないでいるものを「ソーラーパネル」と言います。ソーラーパネルの大きさによって発電量も変わるでしょう。ソーラーパネルが大きければ大きいほど、たくさんの光エネルギーを吸収できます。ソーラーパネルの中でも最も小さい単位は“セル”と言い、セルから大きくなるにつれ“モジュール”、“パネル”と呼び方が変わるでしょう。

出力がおよそ1メガワットの巨大な太陽光発電は「メガソーラー」と言います。メガソーラーは、太陽光発電所に設置しているタイプです。広大な土地を利用してメガソーラーを設置しています。最近では、自治体や国が家庭に対してソーラーパネルの設置を進めているところが増えているのです。ソーラーパネル設置への補助金を出している自治体もたくさんあります。

2.太陽光発電のメリット・デメリット

2‐1.地球にやさしく信ぴょう性が高い発電法

現在、日本の発電の現状は石油・石炭・天然ガスを使用した火力発電が主流になっています。火力発電に使用する燃料である石油・石炭・天然ガスは、資源に限界があるため、再生可能エネルギーや自然エネルギーが注目されています。

また、日本は発電に必要な資源を海外から輸入している状態です。自給率が6%程度しかないため、自国だけでは発電できない点が問題にあがっています。

そこで、太陽の光を利用した太陽光発電であれば、資源を使う必要がありません。二酸化炭素や燃えかす、使用済み燃料を生み出さないので地球にやさしいメリットを持っています。地球にやさしいクリーンなエネルギーはもちろん、故障が発生しにくい点もメリットのひとつです。

火力発電の場合、タービンやエンジンなどの可動部分が必要になります。一方、太陽光発電は可動部分を必要としません。信ぴょう性が高い発電の方法と言えるでしょう。

2‐2.毎日一定量の電力は供給できない

太陽光発電のデメリットは、発電のエネルギーとなる「太陽の光」です。太陽の光がなければ電力が発電できません。曇りや雨の日、夜間も太陽光発電ができないでしょう。よって、毎日一定量の電力を供給するのはなかなか難しいです。

「安定性のなさ」が太陽光発電の大きなデメリット・課題点となります。安定性が非常に弱い理由もあって、発電コストは自然エネルギーの中でも高いのです。日照時間が長く、雨も降らない地域への設置が好ましいでしょう。

今後、太陽光発電の「安定性」に力をいれて課題をクリアできるかどうかがポイントになります。安定さえ手にいれると、一定の発電量が保てるでしょう。

3.太陽光発電の発電量や効率

3‐1.全国平均で1年間およそ5,500~6,000kWh

安定性にかける太陽光発電の発電量は気になる点です。太陽光発電協会が発表した年間推定発電量によると、全国平均で1年間およそ5,500~6,000kWhの発電量になります。太陽光発電に使用している電池の種類によって異なりますが、以前よりも発電量は増えているのです。

実際、一般家庭に太陽電池を設置するとしましょう。一般的な家庭の消費電力から考えると、1年間におよそ4,700kWhの発電システムが必要になります。年間4,700kWhなら電池のモジュールが20枚と言う計算になるでしょう。1枚が0.25kWh発電するため、20枚でおよそ5.0kWhもの発電量になります。

3‐2.太陽光発電の効率は?

発電量がよくても効率が悪ければ、無駄なエネルギーを消費するだけです。太陽光発電の効率は、太陽電池によって異なります。太陽光発電の効率は、およそ13%~18%です。最も効率がいいアメリカのメーカーでも最高20%になります。

ちなみに、火力発電は40%~43%、原子力発電は33%、水力発電は80%~90%、風力発電は59%です。ほかの発電法と比べると、圧倒的に効率が低いことがわかります。しかし、近年太陽光発電に注目度があがっているので効率があがる可能性は高いです。実際、イタリアの電気技師が生み出したソーラー発電は、熱効率がおよそ64%と言う数値を出しました。

これからの各国における研究などで、太陽光発電の効率や安定性が固まってくるでしょう。課題がクリアすれば、石炭や石油、原子力に頼る必要もなくなります。

まとめ

太陽光発電の特徴や仕組み、メリット・デメリット、発電量や効率について説明しました。太陽光発電は「太陽」と光エネルギーを電気に変える「電池」があれば発電できる仕組みです。自然エネルギーを活用しているため、資源の限界を心配する必要もありません。

二酸化炭素や燃えかす、使用ずみ燃料も発生しないでしょう。地球環境にやさしい発電方法です。しかし、安定性が弱い、効率が悪いなどと言うデメリットもあります。問題点をどうクリアするかどうかに将来性がかかってくるでしょう。原子力発電の問題もあるため、太陽光発電に注目する企業や自治体が増えてきました。各自治体・国・企業がしている取り組みに注目するのもいいでしょう。さまざまな視点から太陽光発電について考えることができます。