直流電動機の原理や種類は?メリット・デメリットについて知ろう!

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「直流電動機」は携帯電話や玩具類、電気鉄道、エレベーターなどさまざまな場所で使用されています。私たちの生活においても身近な電動機と言えるでしょう。電験3種試験問題にも出てくる直流電動機について詳しく説明します。直流電動機の原理や種類、使用用途、特徴など一緒にチェックしていきましょう。電験3種試験のために勉強している方は、ぜひ参考にしてください。

  1. 直流電動機の原理
  2. 直流電動機の種類
  3. 直流電動機の用途とメリット・デメリット

1.直流電動機の原理

直流を入力とする電動機が「直流電動機」です。そもそも電動機は、電気エネルギーを力学エネルギーに変換する機器になります。電動機の一種である直流電動機の原理について説明していきましょう。

1-1.発生したトルクで回転する

電動機の基本的な原理は「トルクを発生して回転する」ことです。電動機にもさまざまな種類はありますが、すべてにおいて基本的な原理は同じになります。

中でも直流電動機の原理はとてもシンプルです。直流電動機は「フレミング左手の法則」を利用しています。磁石のS極とN極の間に電線の輪を作ってみてください。輪に電流を流すとフレミング左手の法則によって電線に力が加わります。

そして、加わった力によって電線の輪は、時計方向か反時計方向のどちらかに回転し始めるのです。磁石から出る磁束の向きと電流の向きによって、回転方向が決まります。輪の曲がりかどで電流の向きが変わります。よって、回転が継続する仕組みです。ちなみに、トルクの発生はフレミング左手の法則で負荷電流が磁束と交わったときに生じます。

1-2.電流の向きを変える整流子とブラシ

直流電動機を動かすには回転を継続しなければなりません。回転の継続は「電流の向き」が大きく関係しています。電流の向きを変えるのは整流子とブラシの機構がポイントです。

整流子はパイプを長手方向に半分に割った金属片になります。外にある直流電源によって整流子を通って電機子コイルに直流を与える仕組みです。つまり、整流子にブラシを押し当てることで、電線の輪と一緒に接触しながら回転することになります。ただし、力の向きが内側になるため、90°回転したところで止まりやすくなるのです。止まってしまえば回転が継続できません。

よって、直流電動機では電線の輪を120°ずつずらして配置しています。電線の輪であるコイルを120°ずつずらすことで、スムーズに回転できるのです。

1-3.直流電動機の極数・並列回路数

電気が流れる構造は、極数・並列回路数によって異なります。学生のころ、理科の実験でコイルの並列・直列について学んだことを思い出してください。極数や並列の数によって電気の流れ方が違います。

たとえば、直流電動機に大きい電流を供給するとき、並列回路数をなるべく増やさなければなりません。逆に、高電圧を供給するときは並列回路数をできるだけ最小にします。そして、より多くの導体を直列に接続するのです。

また、並列回路数を最大にするときはコイルを重ね巻にします。重ね巻にすることでブラシとの接触点を増やすことができるのです。逆に、並列回路数をなるべく増やしたくないときは巻き方を波巻にします。以上のように、並列回路数と極数の具合によっては巻き方が異なるでしょう。

直流電動機は直流を入力とする電動機のことなんですね。
電動機の基本的な原理はトルクを発生して回転することで、中でも直流電動機の原理はフレミング左手の法則を利用したとてもシンプルなものになっています。

2.直流電動機の種類

2-1.直巻電動機と分巻電動機

直流電動機の種類は電機子巻線と界磁巻線の接続方法によって四種類にわかれています。電機子と界磁を直列に接続した直流電動機が「直巻電動機」です。直巻電動機の特徴は大きく二つあります。

まず一つ目は「低速で大きなトルクを生み出すこと」です。二つ目は、低速で大きなトルクを生み出すことで、負荷が下がると回転速度が速くなります。コイルに与える負荷が少なくなればなるほど、回転速度がパワーアップするでしょう。ただし、無負荷にすると非常に高速な回転速度になり危険なため、そうならないような工夫がされています。

そして、直巻電動機とは逆で並列に接続しているタイプが「分巻電動機」です。分巻電動機の特徴は、負荷がかかっても回転速度がほぼ変わらない点になります。直巻電動機では、負荷がかかると回転速度が遅くなるでしょう。しかし、分巻電動機は、ほぼ一定の回転速度を保つことができるのです。

2-2.複巻電動機と他励磁電動機

直巻電動機と分巻電動機の複合形が「複巻電動機」になります。複巻電動機を簡単に説明すると、直巻電動機と分巻電動機の特徴がそれぞれ組み合わさっている形です。すなわち、直巻電動機と分巻電動機のいいとこ取りをしたものです。

あらゆる制御方式でも電気ブレーキの使用が可能になります。構造自体、直巻界滋巻線と分巻磁巻線を持っているので非常に複雑です。重量も増加してしまうため初心者には扱いにくい電動機と言えるでしょう。

そして、界磁を切り離して励磁を別にするタイプが「他励磁電動機」になります。界磁巻線と電機子の巻線を別々に接続することで、電流が制御できる仕組みです。よって、広範囲の速度制御ができるようになりました。

以上のように、直流電動機にもさまざまな種類があります。それぞれの特徴を把握して、用途に合った電動機を選んで適切に使用できるようにしましょう。

直流電動機の種類は接続方法によって4種類にわかれているんですね。
直巻電動機、分巻電動機、複巻電動機、他励磁電動機の4種類で、ぞれぞれ特性が異なります。

3.直流電動機の用途とメリット・デメリット

3-1.直流電動機の使用用途

それぞれの種類を生かして、直流電動機はさまざまな場所で使用されています。たとえば、ブラシがついている直流整流子電動機は玩具類、コアレルモーターと呼んでいる無鉄心電動機は携帯電話の振動モーターで活用しているのです。

そして、電機子巻線と界磁巻線が直列に接続している直巻整流子電動機は電気鉄道に使っています。なぜなら、分巻電動機・複巻電動機と比べて始動トルクが非常に大きく、無制御で幅広い速度に適応できるからです。

一方、分巻整流子電動機はディーゼル機関車やエレベーターに使用しています。回転速度の制御範囲が狭く、回転数によるトルクの変化が小さい特性を生かしているのです。

また、複巻整流子電動機は電気鉄道、無整流子電動機はコンピューター関連のHDDに使用しています。

3-2.直流電動機のメリット・デメリット

直流電動機の大きなメリットは、「回転数を簡単に変えることができる」点です。界磁電流を大きくすればするほど、回転速度は下がる仕組みになっています。初心者の方は、界磁電流を大きくすれば、回転速度が上がるように感じていると思いますが、実際は逆になりますので注意してください。

また、電機子電流と磁束が直角に交じっているので負荷が必要なトルクをすぐに出すことができるのです。フレミング左手の法則で成り立っているのが大きなポイントになりますね。

つまり、負荷状態や回転数に関係なくトルクの発生が可能です。しかし、直流電動機にはデメリットもいくつかあります。主なデメリットは、「メンテナンスに人手がかかること」です。

整流子とブラシの接触によって動くため、整流子(コミュテータ)を常に良い状態で保たなければなりません。そして、「低電圧かつ、大電流なので電動機効率が低い」です。以上のデメリットも踏まえたうえで、直流電動機を扱っていきましょう。

回転数を簡単に変えることができるのが直流電動機の大きなメリットなんですね。
メンテナンスに人手がかかること、低電圧かつ大電流なので電動機効率が低いというのがデメリットになります。

まとめ

直流電動機の原理や種類、用途、メリット・デメリットについて説明しました。基本的な電動機の原理は同じです。直流電動機はフレミング左手の法則にもとづき、整流子とブラシの接触によって動いています。

また、極数や並列回路数によってもコイルの巻き方が異なるでしょう。並列回路数を大きくするときは「重ね巻」、小さくするときは「波巻」になります。さらに、電機子巻数と界磁巻線の接続方法によって種類も四つにわかれるでしょう。種類ごとの特性はもちろん、メリット・デメリットについて詳しく知ることが大切です。電験3種試験問題にも出てくるので、必ず把握しておいてくださいね。