電気用品安全法について徹底解説!電安法に関連するマークとは?

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「電気用品安全法とは何なのか知りたい」「関連する資格がとりたい」「スキルアップに役立てたい」と思っている方は多いでしょう。電気用品安全法は電気用品にたずさわる仕事をするなら知っておきたい法律です。

そこで、電気用品安全法とは何なのか、PSEマークやSマーク・電気保安四法など詳しく説明します。電気用品安全法について知りたい方、関連する資格を取得したい方は要チェックです。

  1. 電気用品安全法とは
  2. 電気用品安全法が定めるPSEマークとは
  3. Sマークについて
  4. 電気用品安全法の改正について
  5. 電気保安四法とは
  6. 電気用品安全法に関してよくある質問

この記事を読めば、電気用品安全法の基礎知識を身につけることができます。そして、関連資格の取得に必要な情報を知り試験対策ができるでしょう。


1.電気用品安全法とは

電気用品安全法とは電気用品の安全確保について定められている法律です。歴史や概要、目的など詳しく見ていきましょう。

1‐1.電気用品安全法の歴史

電気用品安全法は旧来の電気用品取締法、通称「電取法」が改題されたものです。2001年4月1日に電気用品安全法が改正施行されました。改正された後は通称「電安法」と呼ばれています。また、マスメディアによって「PSE法」とも呼ばれるようになり広まり始めました。

1‐2.電気用品安全法の概要

電気用品安全法は主に電気用品の製造から販売、輸入までの手続き、罰則を定めた内容です。電気用品の定義・行政の権限については「電気用品安全法施行令」、事業者がとるべき手続きの規則は「電気用品安全法施行規則」によって定められています。また、電気用品が満たすべき技術的基準は「電気用品の技術上の基準を定める省令」によって決められているのです。

1‐3.電気用品安全法の目的・必要性

電気用品安全法の目的は「電気用品による危険・障害発生の防止」です。電気用品は使い方を誤ってしまえば大事故につながることもあります。そのため、電気用品安全法施行規則に基づき、正しく扱わなければなりません。事故防止のためには必要な規則です。

1‐4.電気用品安全法が適用される範囲、対象

電気用品安全法が適用される範囲は、施行令に指定された電気用品を製造・輸入している事業者です。事業者は必ず経済産業大臣に届け出を行わなければなりません。届け出・手続きを行わない場合は罰則があります。そして、電安法に指定されている規制対象製品は以下のとおりです。

  • 一般用電気工作物の部分となり接続して用いられる機械、器具または材料であって、政令で定めるもの
  • 携帯発電機であって、政令で定めるもの
  • 蓄電池であって、政令で定めるもの

私たちの身近にあるものとしては、パソコン・プリンター・モデム・FAXなどがあげられます。

2.電気用品安全法が定めるPSEマークとは

電安法に基づき、電気用品の製造・輸入を行う事業者は電気用品にPSEマークを表示することが義務づけられています。PSEマークとは何なのか、主な内容や目的、適用方法について詳しく説明しましょう。

2‐1.PSEマークの主な内容

電気用品には「特定電気用品」と「特定電気用品以外の電気用品」の二種類があります。それぞれの製造・輸入・販売事業を行う事業者はPSEマークを表示しなければなりません。特定電気用品のPSEマークはひし形のなかにPS、PSの下にEと三つのアルファベットが入っています。または、<PS>Eと表示されるものです。そして、特定以外の電気用品は丸い形になっています。マークでない場合は(PS)Eと表示されるのです。

2‐2.PSEマークの目的

特定電気用品は主に電線やヒューズ、コンセントなど消費者の目に届かない場所で使用されるものです。一方、特定以外の電気用品はコンセントにつないで使用する冷蔵庫や洗濯機などがあります。以上の電気用品を製造・販売するまで法律に基づいた検査をクリアしなければなりません。クリアした電気用品だけがPSEマークの表示を許されるのです。つまり、PSEマークは法律をクリアした安全な商品であることを消費者に伝える重要なマークになります。

2‐3.PSEマークの適用方法

PSEマークが適用できるかどうかは、適合性検査の結果にかかっています。電気用品の製造・輸入・販売を行う業者はまず、事業届け出をして基準適合確認を行わなければなりません。そして、適合性検査、自主検査に入ります。登録検査機関からOKが出たら適用される仕組みです。

2‐4.JISマークとは

JISマークは日本工業標準調査会から認証された意味を持っています。登録認証機関から認証受けた事業者がJISマークを商品に付与できる特別な表示です。JISマークは鉱工業品・加工技術・特定側面ごとに表示の様式が異なります。JISマークの表示様式は日本工業標準調査会のHPで確認してください。

日本工業標準調査会:https://www.jisc.go.jp/newjis/newjismknews.html

3.Sマークについて

Sマークは第三者認証マークと呼ばれています。一体どんな意味を持っているのか、主な内容と目的、適用方法、PSEマークとの共通点や違いについて説明しましょう。

3‐1.Sマークの主な内容

Sマークは電気用品の製造・輸入を行っている事業や販売事業者ではない「第三者」が認めるマークのことです。利害関係のない中立の立場にいる第三者が「安全」だと認めた電気用品にだけ付与されます。第三者の認証となるSマークは消費者から絶大な信用を得られるでしょう。

3‐2.Sマークの目的

Sマークは法律で義務づけられているマークではありません。しかし、ほとんどの製造事業者や輸入業者Sマークを付けています。なぜなら、より安全性の高い電気製品だと消費者や販売業者にアピールできるからです。Sマークは消費者だけでなく、販売業者から信用を得るための重要なマークになります。

3‐3.Sマークの適用方法

Sマークの適用は第三者認証機関による製品試験をクリアしなければなりません。また、工場など品質管理の調査が行われます。調査を行い、常に品質管理ができているかどうか認められた商品だけSマークが適用できるのです。ちなみに、Sマークの表示は製品を認証した機関のロゴマークも入っています。

電気製品認証協議会:http://www.s-ninsho.com/s_meaning.html

3‐4.PSEマークとの共通点、違い

PSEマークは電気用品安全法に基づいています。国の法律に準拠しているため、必ず表示しなければなりません。一方、Sマークは法律に規定されているマークではなく、第三者検査機関の公的規格になります。法律に基づいているかどうかが両マークの違いといえるでしょう。ただし、両マークとも消費者からの信用を得られる共通点を持っています。

4.電気用品安全法の改正について

電気用品安全法が施行されてから現在まで、何度か改正が行われています。一体どんな改正が公布されたのでしょうか。電気用品安全法の改正について説明します。

4‐1.PSEマーク

平成19年度に旧電気用品取締法の表示がある電気用品はPSEマークが不要になると改正されました。経過措置期間が終了した後も、電気用品には法律に基づいてPSEマークの表示が義務づけられていたのです。しかし、改正によって期限を設けず、旧法表示がついている電気用品に関しては検査をせずとも販売できるようになりました。わざわざ検査をし直す手間が省けたのです。

4‐2.リチウム電池

平成20年度には電気用品の品目追加に関する改正が実施され、リチウムイオン電池などが追加されました。平成23年度には特殊な構造のリチウムイオン蓄電池も追加され、次々と品目が加わっています。従来まではリチウム電池による発煙・発火事故が急増していたため、規制対象の猶予期間を設けていたのです。猶予期間が経過したので規制対象外となっていた、特殊な構造の蓄電池が追加されました。

4‐3.その他

ほかにも、電気用品安全法施行規則では平成24年度に施行令の改正で追加された品目の追加・修正が行われました。年々、時代の流れによって規制内容も変化しているのです。

4‐4.改正の目的

なぜ、法律の改正が必要だと思いますか?そもそも、電気用品安全法は電気用品の製造・輸入・販売などを規制すると同時に安全の確保を目的としている法律です。次々と新しい電気用品が出ているなか、安全を見直していかなければなりません。事業者の自主的な活動を促進させるには、現状かつ先を見据えた電気安全教育、電気安全規格が必要です。

5.電気保安四法とは

「電気保安四法」をご存じでしょうか。電気用品に関する資格を取得したい方は電気用品安全法だけでなく、ほかの法律も把握しておかなければなりません。そこで、電気保安四法について詳しく説明しましょう。

5‐1.電気保安四法とは

電気用品安全法に「電気工事士法」「電気工事業法」「電気事業法」の3つを加えたものが「電気保安四法」です。電気工事士法は電気工事に従事する者の資格や義務・災害発生の防止について定めています。電気工事業法は、電気工事業を営む者の登録等およびその業務の規制を行っています。そして、電気事業法は電気工作物と電気事業の保安確保について定められています。4つとも電気関連の商品、設備、工事に深く関わる法律です。

5‐2.関連する資格

電気保安四法に関連する資格は、主に「電気工事士」があります。電気工事士とはどんな仕事なのか、資格・試験概要について詳しく説明しましょう。資格取得を考えている方はぜひチェックしてください。

5‐2‐1.電気工事士の資格概要

電気工事士は電気工事士法に基づいている国家資格の一つです。「電気工事の作業に従事する者の資格および義務を定め、もって電気工事の欠陥による災害発生の防止」を目的としています。電気工事士には第1種と第2種があり電気工事を行う範囲が異なるのです。第1種はビルや工場など大規模施設の電気工事が主な業務になります。一方、第2種電気工事士は住宅や個人事業所など小規模な施設が担当範囲です。

5‐2‐2.電気工事士の試験概要

第1種は年に1回、第2種は年に2回試験が実施されます。試験内容は筆記試験と技能試験です。特に、受験資格は決まっていないので誰でも受験できますよ。合格率はおよそ30%~40%といったところです。きちんと基礎知識を身につけ過去問をといていけば合格できます。

電気技術者試験センター:http://www.shiken.or.jp/

5‐3.その他資格

ほかにも関連資格に「電気工事施工管理技士」や「低圧・高圧 電気取扱者」「電気主任技術者」「特殊電気工事資格者」「認定電気工事従事者」などの種類があります。自分が働きたい職場、従事したい職務内容を明確にしたうえで、適切な資格を選んで資格取得を目指してください。

5‐4.電気保安四法を学ぶ必要性

電気関連の資格を取得するのなら、電気保安四法の知識を身につけることが大切です。電気保安四法は電気用品、電気工事、電気に関する規則が詰まっています。電気保安四法をしっかり学んでおけば、電気に関する資格がスムーズに取得できるでしょう。

6.電気用品安全法に関してよくある質問

最後に、電気用品安全法に関してよくある質問を5つピックアップしました。電気用品や資格取得を考えている方はぜひチェックしてください。

Q.電気安全教育に関する資料が欲しい。
A.電気安全教育についてきちんと学びたい方は、電気保安協会から資料を取り寄せてください。電気完全教育に関する資料やセミナーを各地の保安協会で開催しています。ぜひ、電気安全セミナーに参加して知識を身につけてください。

Q.電気用品安全法における法令実務実施ガイドとは?
A.電気用品安全法における法令実務実施ガイドは電気用品安全法第3条で規定される届け出事業者の業務が中心です。業務についてわかりやすく解説されいます。

Q.電気シンボルマークとは?
A.電気シンボルマークは電気用品に使用する部品などをわかりやすくマークにしたものです。

Q.電気の安全標語とは?
A.電気用品の取り扱いや電気工事に対しての注意喚起を目的とした活動が「電気の安全標語」です。社内でスローガンとなる安全標語を決めて、従業員同士で注意喚起を行います。

まとめ

電気用品安全法は電気用品による事故を防ぎ、安全性を高めるための大切な法律です。消費者が安心して使用できる電気用品を提供するには、規則をきちんと守らなければなりません。また、電気関連の仕事で働き続けたい方は、電気用品安全法も含む「電気保安四法」を把握しておきましょう。電気用品や電気工事に関する情報を把握すれば、試験対策もできます。