電気工事施工管理技士の経験記述が不安な人へ|第二次検定の準備方法
2015/11/20
2026/06/04
電気工事施工管理技士の第二次検定を前にして、「経験記述をどう書けばよいのか分からない」と不安を感じていませんか?過去問を見ても、自分の現場経験をどのように文章にすればよいのか迷う方は少なくありません。
経験記述は、暗記だけで乗り切りにくい分野です。自分が関わった工事の内容、担当した立場、課題に対して行った対策、結果を整理し、施工管理としての視点が伝わる形にまとめる必要があります。
この記事では、電気工事施工管理技士の第二次検定で経験記述が不安な方へ、工事経験の整理方法や書き方の考え方、独学でつまずきやすいポイントを解説します。独学で進めたい方も、まずは自分の経験を「書ける形」に整理するところから始めてみましょう。
- 電気工事施工管理技士の経験記述が難しく感じる理由
- 経験記述を書く前に整理したい工事経験
- 経験記述で意識したい文章の組み立て方
- 独学で経験記述対策をするときの注意点
- 第二次検定に向けた勉強の進め方
- 経験記述が不安なときに使いたい学習サポート
この記事は、次のような方におすすめです。
- 電気工事施工管理技士の第二次検定を受ける予定の方
- 経験記述の書き方に不安がある方
- 自分の工事経験をどう整理すればよいか分からない方
- 独学で第二次検定対策を進めている方
- 経験記述の添削や質問サポートを検討している方
1.電気工事施工管理技士の経験記述が難しく感じる理由
電気工事施工管理技士の第二次検定では、知識を覚えるだけでなく、自分の工事経験をもとに施工管理上の取り組みを説明する力が求められます。
第一次検定のように選択肢から答える問題とは違い、経験記述では自分の言葉で文章を組み立てる必要があります。ここが、多くの受験者にとって不安になりやすい部分です。
1-1.過去問を見ても自分の現場に置き換えにくい
経験記述の対策で過去問を見ると、品質管理、安全管理、工程管理などのテーマが出てきます。しかし、それを自分の現場にどう当てはめればよいのか分からないことがあります。
たとえば、安全管理といっても、感電防止、墜落防止、第三者災害防止、工具や機材の管理など、現場によって取り組みは変わります。
過去問の模範解答を読んでも、「自分の現場ではここまで大きな工事を担当していない」「同じような対策をした記憶がない」と感じることもあるでしょう。
その場合は、まず自分の現場で実際に行った確認や対策を小さく書き出すことから始めましょう。大きな実績ではなくても、施工管理として考えたことや工夫したことが経験記述の材料になります。
1-2.工事概要を正確にまとめる必要がある
経験記述では、工事名、工事場所、工事内容、請負金額、工期、自分の立場など、工事概要を整理する必要があります。
ここがあいまいだと、本文の内容にも説得力が出にくくなります。工事概要と記述内容がずれていると、「本当にその工事で行った対策なのか」が分かりにくくなるからです。
たとえば、受変電設備の更新工事なのか、照明設備工事なのか、幹線設備工事なのか、弱電設備工事なのかによって、管理上の課題は変わります。
まずは、自分が担当した工事をいくつか書き出し、どの工事なら品質管理・安全管理・工程管理について説明しやすいかを確認しましょう。
1-3.施工管理としての視点が伝わりにくい
経験記述でよくあるつまずきが、作業内容の説明に偏ってしまうことです。
電気工事士としての経験がある方ほど、「配線した」「機器を取り付けた」「試験を行った」といった作業内容を書きたくなるかもしれません。
しかし、電気工事施工管理技士の経験記述では、施工管理として何を確認し、どのような課題に対して、どんな対策を行ったのかを伝えることが重要です。
経験記述では、作業をした事実だけでなく、管理者として何を判断したのかを整理することが大切です。
2.経験記述を書く前に整理したい工事経験
経験記述はいきなり文章を書き始めるより、先に工事経験を整理したほうが書きやすくなります。
ここでは、電気工事施工管理技士の第二次検定に向けて、書く前に整理しておきたい項目を紹介します。
2-1.担当した工事の種類と規模
まず整理したいのは、担当した工事の種類と規模です。
電気工事には、受変電設備、幹線設備、動力設備、照明設備、コンセント設備、弱電設備、太陽光発電設備、非常用発電設備など、さまざまな分野があります。
自分が担当した工事の中で、どの工事が経験記述に使いやすいかを考えてみましょう。
工事規模については、建物用途、階数、延床面積、工期、請負金額、担当した範囲などを整理しておくと、工事概要を書きやすくなります。
2-2.自分の立場と担当業務
次に、自分の立場と担当業務を整理します。
現場代理人、主任技術者、施工管理補助、担当者など、どの立場で工事に関わったのかを確認しましょう。
あわせて、工程管理、品質管理、安全管理、施工写真の管理、材料の確認、協力会社との調整、発注者対応、試験・検査の立会いなど、自分が担当した業務を書き出します。
経験記述では、自分がどの立場で何を行ったのかが伝わることが大切です。立場があいまいなまま文章を書くと、施工管理としての責任範囲が見えにくくなります。
2-3.品質・安全・工程で実際に工夫したこと
経験記述では、品質管理、安全管理、工程管理などのテーマに沿って、自分が行った対策を書くことになります。
そのため、各テーマごとに実際に工夫したことを整理しておきましょう。
- 品質管理:施工前の材料確認、図面との照合、試験・検査、写真記録、是正対応
- 安全管理:感電防止、墜落防止、作業範囲の区画、KY活動、工具点検、停電作業時の確認
- 工程管理:作業順序の調整、他工種との取り合い確認、材料納期の確認、遅れへの対応
最初からきれいな文章にしようとせず、まずは箇条書きで構いません。実際に行ったことを整理するだけでも、経験記述の材料が見えてきます。
2-4.結果や再発防止まで説明できるか
経験記述では、対策を書くだけでなく、その結果どうなったのかまで説明できると、内容にまとまりが出ます。
たとえば、安全管理であれば、感電災害を防ぐためにどのような確認を行い、その結果、作業を安全に進められたのか。品質管理であれば、施工ミスを防ぐためにどの確認を行い、不具合の発生を防げたのかを整理します。
また、同じような工事で再発防止や改善につなげたことがあれば、それも経験記述の材料になります。
今日できることとして、過去に担当した工事を一つ選び、「課題」「対策」「結果」の3つに分けてメモしてみましょう。短いメモでも、経験記述の下書きにつながります。
3.経験記述で意識したい文章の組み立て方
経験記述では、内容だけでなく、読み手に伝わる文章構成も大切です。
ここでは、書くときに意識したい基本の流れを整理します。
3-1.工事概要と記述内容を一致させる
経験記述では、工事概要と本文の内容に一貫性があることが大切です。
たとえば、照明設備工事について書いているのに、本文では受変電設備の内容が中心になっていると、読み手は違和感を持ちます。
工事概要で示した工事内容に対して、どのような品質管理・安全管理・工程管理を行ったのかが自然につながるようにしましょう。
書き始める前に、工事概要とテーマが合っているかを確認するだけでも、文章のずれを防ぎやすくなります。
3-2.課題・対策・結果の流れで書く
経験記述は、課題、対策、結果の流れで組み立てると分かりやすくなります。
まず、その工事でどのような管理上の課題があったのかを書きます。次に、その課題に対して自分が行った具体的な対策を書きます。最後に、その結果どうなったのかをまとめます。
たとえば、安全管理であれば、「通電中の既設設備に近接して作業するため、感電災害を防ぐ必要があった」という課題を示し、「停電範囲の確認、検電、作業区画の明示、作業員への周知を行った」と対策を書きます。
この流れで書くと、施工管理としての判断と行動が伝わりやすくなります。
3-3.抽象的な表現を具体的にする
経験記述では、「安全に注意した」「品質を確認した」「工程を管理した」といった抽象的な表現だけでは、内容が伝わりにくくなります。
たとえば、「安全に注意した」ではなく、「作業前に停電範囲を確認し、検電後に作業開始を許可した」のように書くと、具体的な行動が見えます。
「品質を確認した」ではなく、「照明器具の取付位置を施工図と照合し、取付後に点灯試験を行った」と書くと、何を確認したのかが分かります。
抽象的な言葉を使ったら、「具体的に何をしたのか」と自分に問い直してみましょう。
3-4.自分の経験に基づいた内容にする
経験記述では、自分の経験に基づいた内容を書くことが重要です。
国土交通省は、令和6年度以降の技術検定について、第二次検定の設問の見直しを行うと説明しています。特に、受検者自身の経験に基づかない解答を防ぐ観点から、経験に基づく解答を求める設問が見直されるとされています【注1】。
そのため、模範解答をそのまま覚えるだけでは対応しにくい場面があります。
自分の工事経験をもとに、課題や対策を整理しておくことが、第二次検定対策では大切です。
4.独学で経験記述対策をするときの注意点
経験記述は独学で準備することもできます。ただし、一人で進める場合は、気づきにくい落とし穴もあります。
ここでは、独学で経験記述対策をするときの注意点を紹介します。
4-1.模範解答の丸暗記に頼りすぎない
経験記述の対策では、模範解答を読むことも役立ちます。
ただし、模範解答をそのまま丸暗記するだけでは、自分の工事内容と合わない場合があります。
特に、工事概要や担当した立場が違うのに、文章だけを借りてしまうと、内容に不自然さが出やすくなります。
模範解答は、文章の流れや表現を学ぶために使いましょう。そのうえで、自分の工事経験に合う課題や対策に置き換えることが大切です。
4-2.早い段階で下書きを作る
経験記述は、試験直前に一気に仕上げようとすると苦しくなります。
工事概要を思い出すだけでも時間がかかり、文章を整えるにはさらに時間が必要です。
できれば、第二次検定の勉強を始めた早い段階で、下書きを作っておきましょう。最初から完成度を求める必要はありません。
まずは、工事概要、課題、対策、結果を箇条書きにし、それを短い文章にしていく流れがおすすめです。
4-3.文章の分かりやすさを確認する
経験記述では、内容が正しくても、文章が分かりにくいと伝わりにくくなります。
主語が分かりにくい、対策が複数混ざっている、結果が書かれていない、専門用語だけで説明しているなどの状態は避けたいところです。
下書きができたら、一度声に出して読んでみましょう。途中で意味が分からなくなる部分があれば、文章を短く区切る、順番を入れ替える、具体例を足すなどの修正が必要です。
自分では分かっているつもりでも、読み手には伝わらないことがあります。第三者に見てもらう視点も大切です。
4-4.添削を受ける時間を残しておく
経験記述に不安がある場合は、添削を受けることも検討しましょう。
ただし、試験直前に添削を依頼すると、修正する時間が足りなくなる可能性があります。
添削を受けるなら、下書き作成、添削、修正、再確認の時間を見込んでおくことが大切です。
経験記述は、書いて終わりではなく、見直して伝わる文章に整えることで完成度が上がります。
5.第二次検定に向けた勉強の進め方
第二次検定では、経験記述だけでなく、施工管理に関する知識や応用力も必要になります。
経験記述に不安がある方も、ほかの分野とのバランスを考えながら勉強を進めましょう。
5-1.まずは出題範囲と過去問を確認する
第二次検定対策では、まず出題範囲と過去問を確認しましょう。
どのような問題が出るのか、経験記述以外にどの分野が問われるのかを把握すると、勉強の優先順位が見えてきます。
過去問を見た段階で解けなくても問題ありません。まずは試験の全体像を知ることが大切です。
出題形式を知らないまま勉強を始めると、必要以上に広く勉強してしまい、時間が足りなくなることがあります。
5-2.経験記述と知識問題を並行して進める
経験記述だけに集中しすぎると、ほかの問題の準備が不足することがあります。
反対に、知識問題ばかり進めていると、経験記述が後回しになり、直前に焦る原因になります。
おすすめは、経験記述の下書き作成と、過去問演習を並行して進めることです。
たとえば、平日は過去問や用語確認を進め、休日に経験記述の下書きや見直しを行うなど、自分の生活に合わせて分けると続けやすくなります。
5-3.現場経験を記録として残しておく
これから第二次検定を受ける方や、将来的に受検を考えている方は、現場経験を記録として残しておくことも大切です。
工事名、工期、担当した立場、管理上の課題、行った対策、結果をメモしておくと、後から経験記述を書くときに役立ちます。
特に、忙しい現場が終わると、細かい出来事は忘れてしまいます。
日々の業務の中で、「これは経験記述に使えそうだ」と感じた取り組みを短くメモしておくだけでも、後の準備が楽になります。
5-4.試験日から逆算して仕上げる
第二次検定の勉強では、試験日から逆算して計画を立てましょう。
経験記述は、下書き、見直し、修正、暗記ではなく理解、最終確認という流れが必要です。直前に初めて書くのではなく、余裕を持って準備することが大切です。
仕事が忙しい方は、週ごとの目標を小さく設定すると続けやすくなります。
たとえば、「今週は工事概要を整理する」「来週は安全管理の下書きを作る」「その次は添削や見直しをする」と分けると、進み具合が分かりやすくなります。
6.経験記述が不安なときに使いたい学習サポート
電気工事施工管理技士の第二次検定は、独学でも対策できます。しかし、経験記述だけは「自分の文章が合格水準に近いのか分からない」と感じやすい分野です。
そのようなときは、経験記述の添削や質問サポートを活用するのも一つの方法です。
6-1.独学サポート事務局で相談できること
独学サポート事務局では、1級・2級電気工事施工管理技士の受験対策講座が用意されています。
公式サイトでは、第二次検定向けに、二次対策教材、質問回答サービス、経験記述論文の作成指導や講師による記述添削サービスなどが案内されています【注2】。
独学で進めたいけれど、経験記述だけは不安がある方にとって、添削を受けられる環境は心強い材料になります。
6-2.経験記述の添削を受けるメリット
経験記述は、自分では書けているつもりでも、読み手から見ると内容が伝わりにくいことがあります。
添削を受けることで、工事概要と本文が合っているか、課題・対策・結果の流れが自然か、表現が抽象的すぎないかなどを確認しやすくなります。
特に、初めて第二次検定を受ける方や、文章を書くことに苦手意識がある方は、第三者の視点を入れることで改善点が見えやすくなります。
添削は、答えを丸暗記するためではなく、自分の経験を伝わる文章に整えるために使うと効果的です。
6-3.独学とサポートを組み合わせる考え方
電気工事施工管理技士の勉強方法は、一つではありません。
過去問やテキストを使って自分で進める方法もあれば、分からない部分だけ質問サポートや添削を使う方法もあります。
費用を抑えたい方は独学中心で進め、経験記述だけ添削を受けるという考え方もあります。仕事が忙しく、何から手をつければよいか分からない方は、教材や学習サポートを利用することで、勉強の流れを作りやすくなります。
大切なのは、独学にこだわりすぎず、合格に向けて必要な部分を補いながら準備することです。
独学サポート事務局で電気工事施工管理技士の経験記述対策を確認する
まとめ
電気工事施工管理技士の第二次検定で不安になりやすいのが、経験記述です。
経験記述では、自分が担当した工事の概要、施工管理上の課題、実施した対策、結果を分かりやすくまとめる必要があります。模範解答をそのまま覚えるのではなく、自分の現場経験に基づいて書けるように準備することが大切です。
7-1.経験記述を準備するときの確認ステップ
- 担当した工事を整理する: 工事名、工事内容、工期、請負金額、自分の立場を確認しましょう。
- 管理テーマごとに経験を書き出す: 品質管理、安全管理、工程管理で実際に行った対策を整理します。
- 課題・対策・結果の流れでまとめる: 読み手に伝わるように、何に対して何を行い、どうなったのかを明確にしましょう。
- 抽象的な表現を具体化する: 「確認した」「注意した」だけでなく、何をどのように確認したのかを書きます。
- 不安な部分は添削を活用する: 自分では気づきにくい文章のずれや不足を、第三者の視点で確認してもらいましょう。
経験記述は、直前に慌てて仕上げるよりも、早めに工事経験を整理して下書きを作ることが大切です。最初から完璧な文章を目指す必要はありません。書き出し、見直し、修正することで、少しずつ伝わる文章に近づいていきます。
独学で進めることに不安がある場合は、経験記述の添削や質問サポートを活用するのも一つの方法です。自分の経験を合格に向けた答案へ整えるために、必要なサポートを上手に取り入れていきましょう。
出典
【注1】:「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります|国土交通省」
URL:https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707687.pdf
【注2】:「1級電気工事施工管理技士受験対策講座|独学サポート事務局」




