第一種電気工事士の難易度や合格率はどのくらい? 第二種との違いは?

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第一種電気工事士とは、一般住宅や事業用工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備の工事ができる資格になります。第二種よりも工事ができる範囲がぐんと増えるのですね。「どうせ取得するならば、二種よりも一種を」と思う方も多いでしょう。しかし、第一種電気工事士は誰でも受験ができますが、免状交付には実務経験が必要になるなど条件があるのです。

そこで今回は、第一種電気工事士の難易度や合格率をご紹介します。第一種電気工事士の資格取得を目指す方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い
  2. 第一種電気工事士は筆記試験が難しい?
  3. 第一種電気工事士の試験対策

電気工事の第1種と第2種って何が違うの?


1.第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い

まず、第一種と第二種の電気工事士の違いを試験の難易度や合格率を含めて、ご紹介しましょう。どのくらい難易度が高くなるのでしょうか?

1-1.電気工事士の一種と二種の違いは?

電気工事士とは、文字どおり電気設備工事ができる資格です。電気設備工事とは、家電を設置する以外の電気工事のこと。新しく部屋を増築したので電気をひきたいという場合や、コンセントを部屋に増設したいというときなどですね。電気は、扱い方や工事の仕方を間違えると漏電や感電が起こる可能性もあります。その結果、火災が発生したり犠牲者が出たりすることもあるでしょう。ですから、専門の有資格者が必要なのですね。

第一種と第二種では、工事が行える範囲が違います。第二種は一般住宅と小規模な店舗の電気設備工事しか行えません。それに対し、第一種は前述したように事業用電気工作物のうち、最大電力500キロワット未満の需要設備まで行えます。

つまり、工場や大規模商業施設の電気設備工事も行えるのです。ですから、第一種の方が求人も多いですし、給与も高いところが多いでしょう。

1-2.第一種電気工事士の難易度とは?

第一種電気工事士は、筆記試験と実技試験があります。筆記試験の合格率が45%前後。実技試験の合格率が65%前後になり、全体の合格率は30%前後になっています。電気工事士は両方の試験に合格しないと資格が取得できません。ですから、実技の試験の合格率が高くても、全体の合格率が低くなります。

第二種電気工事士の全体の合格率は40%前後ですから、それほど変わりなく見えるかもしれません。しかし、筆記試験の合格率は50%前後。実技試験の場合は70%前後とかなり高くなっています。つまり、第一種電気工事士の難易度は第二種に比べるとやはり難しくなっているといえるでしょう。

第一種と第二種では、工事が行える範囲が違うんですね。
第二種は一般住宅と小規模な店舗の電気設備工事しか行えませんが、第一種は工場や大規模商業施設の電気設備工事も行えるため、第一種の方が求人も多く、給与も高い傾向にあります。

2.第一種電気工事士は筆記試験が難しくなる?

第一種電気工事士は筆記試験が難しくなる?

電気工事士は、第一種も第二種も実技試験があります。実技試験を見比べた場合は、第一種も第二種もそれほど差はないように見えるでしょう。実際、多くの電気工事士の試験対策サイトは、「第一種電気工事士の資格は筆記試験が難しくなる」と解説しています。電気工事士の試験を受けるのに受験資格はありません。しかし、第一種電気工事士の免状を交付されるには一定期間の実務経験が必要です。

つまり、実質的には第一種電気工事士の資格を取得するためには、実務経験が必要ということであり、実技試験の合格率が高いのもうなずけるでしょう。しかし、実務経験がある人でも筆記試験は難しいのです。

電気工事士の試験は、国家試験の難易度では「普通」に分類されます。しかし、だからといって一夜漬けや間近になってから慌てて勉強しても合格できません。計画して勉強をすることが大切です。

第一種電気工事士の資格を取得するためには、実務経験が必要なんですね。
実技試験を見比べた場合は、第一種も第二種もそれほど差はありませんが、一夜漬けで受かるものではありません。計画して勉強をすることが大切です。

3.第一種電気工事士の試験対策とは?

第一種電気工事士の試験対策とは?

では、第一種電気工事士に合格するにはどのように勉強すればよいのでしょうか? この項では、勉強方法のコツをご紹介します。

3-1.独学で勉強する場合の注意点

第一種電気工事士の資格を取得しようとする方の多くが、独学で勉強をするでしょう。第一種電気工事士の参考書や過去問題集は、書店に行けば販売されています。

実際に、毎年多くの方が独学で勉強して試験に合格しています。ただし、仕事をしながら勉強をする場合は、時間をしっかりと確保しましょう。たとえ電気に関わる仕事に就いていても、電気に関わる法律や回路の理論的な仕組みはよく分からないという方も多いのです。ですから、「普段仕事で行っているから大丈夫」と油断しないことが大切でしょう。

全く畑違いの分野から転職したいので試験を受けたいという場合はさらに大変です。筆記試験対策だけでなく、実技試験対策も行う必要があります。実技試験のキットはインターネット通販などでも購入可能です。

3-2.第一種電気工事士を受験する前の注意点

前述したように、第一種電気工事士は誰でも受験できる資格ではありますが、一定期間の実務経験がないと免状が交付されません。ですから、まずは第二種電気工事士の資格を取り、実務経験を積んでから第一種を取得するとスムーズに行くでしょう。また、第一種と第二種は同時に受験できます。しかし、第一種に合格したのに第二種に不合格になるというケースもあるのです。全く畑違いの分野から電気工事士の資格取得を目指す方は、第二種から取得していきましょう。

第二種電気工事士の資格を取って実務経験を積んでから第一種を取得するのがいいんですね。
はい。第一種と第二種は同時に受験できますが、第一種電気工事士は一定期間の実務経験がないと免状が交付されません。まずは第二種から取得するとスムーズに行くでしょう。

おわりに

今回は第一種電気工事士の難易度や合格率をご紹介しました。合格率3割前後は一見すると低いように見えます。しかし、電気工事士の上位資格である電気主任技術者は、合格率が10%前後です。ですから、それに比べたら合格しやすいと言えるでしょう。できれば、さらに上位資格の電験3種の試験にも挑戦してみてください。