電験三種の偏差値はどのくらい? 難易度や合格率と共に解説

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電気主任技術者第三種(以下、電験三種)は、事業用電気工作物の保安業務を行うことができる資格です。難易度が高い資格であり、有資格者を求めている職場もたくさんあります。資格取得を目指して勉強に励んでいる人も多いことでしょう。その一方で「資格の偏差値を確認したら、思いのほか高かったので自信がなくなった」という人もいると思います。確かに、資格の偏差値は難易度を測る目安にはなりますが、うのみにする必要はありません。

今回は、電験三種の偏差値や実際の難易度、勉強のコツなどを紹介しましょう。

  1. 資格の偏差値とは?
  2. 電験三種の偏差値と合格率・難易度について
  3. 電験三種の資格取得方法
  4. 電験三種に関するよくある質問

この記事を読めば、電験三種の勉強方法などもよく分かるはずです。電験三種の取得を目指している人は、ぜひ読んでみてください。


1.資格の偏差値とは?

偏差値とは、試験を受けた人全体の中で自分がどのくらいの位置にいるかを数値化したものです。たとえば、偏差値が50ならばちょうど真ん中くらいの順位になります。偏差値70以上で全体の上位2%、偏差値60以上で上位15%程度です。つまり、偏差値が高いほど、合格圏に入るのは難しくなります。つまり、偏差値が高い資格ほど取得が難しいということです。

ただし、高校や大学の受験とは異なり、資格は受験者個々の条件がかなり異なります。偏差値が高いからといって寝食の時間を削って勉強しなければ絶対に受からない、ということはありません。逆に、偏差値が低い資格でも一夜漬けで勉強すれば合格するわけではないのです。

資格の偏差値は、難易度の目安なんですね。
はい。しかし、難易度が高いからといって特別な勉強をしなければ合格できないわけではありません。

2.電験三種の偏差値と合格率・難易度について

この項では、電験三種の偏差値と合格率・難易度について解説します。

2-1.電験三種の偏差値はどのくらい?

電験三種の偏差値は55~58程度です。偏差値60以上の資格が難関資格に分類されているため、偏差値で見ると「普通~やや難しい」試験と位置づけられています。

2-2.電験三種の合格率はどのくらい?

電験三種の合格率は、平成20年以降ずっと10%を切っています。だいたい5%~9%前後です。合格率で見ると、難関試験と同じくらい低いのですが、合格率は受験者数が多いほど、下がります。電験三種は受験資格が定められていません。そのため、毎年多くの人が受験します。電験三種の試験は決して易しくはありませんが、受験者数の多さも合格率を下げている一因です。

2-3.電験三種の難易度は?

資格紹介のサイトや予備校では、電験三種の難易度を「普通」としています。これは、「予備校などに通って特別な受験テクニックを身につけなくても合格ができる」という意味の「普通」です。電験三種の試験は、理論・電力・機械・法規の4科目で、4割以上が計算問題となっています。意味は分からないけれど、参考書を丸暗記すれば合格できるという試験ではありません。ですから、独学で合格を目指す場合は、計画的で効率よい勉強をすることが大切です。

電験三種の難易度は高めなんですね。
はい。電気関係の資格の中では最難関です。しかし、頑張って勉強して取得する価値は十分にあります。

3.電験三種の資格取得方法

この項では、電験三種の資格取得方法や勉強のコツを紹介します。

3-1.電験三種の概要

前述したように電験三種を取得すれば、事業用電気工作物が設置されている場所で、保安監督業務や保安計画を立てることができます。電験三種が保安業務を行えるのは電圧が5万V以下の事業用電気工作物に限られますが、オフィスビルや商業施設の大部分の電気工作物がこれに該当するのです。ですから、有資格者は常に一定の需要があり転職する際の武器にもなります。

3-2.資格取得方法

電気主任技術者の資格は電気技術者試験センターが試験を主催する試験に合格すれば取得できます。経済産業省の認定を受けて取得する方法もありますが、条件が厳しいので認定されるケースはごくわずかです。受験を希望する人は、まずセンターのホームページを確認してください。申し込みもホームページから電子申請が行えます。受験料は、9,300円です。

3-3.試験科目や合格基準について

電気主任技術者の試験は、前述したように4科目の学科試験です。科目合格が認められており、60点以上の得点で科目合格になります。3年以内にすべての科目を取得すれば総合合格です。ですから、3年かけて4科目を合格する方も珍しくありません。

3-4.勉強のコツ

前述したように、電験3種の試験は4科目すべてに計算問題が出題されます。電卓持ち込みは許されていますが、公式を完璧に暗記し、応用が自由自在にできるまで勉強をしておくことが大切です。工業高校の電気科や大学の工学部電気科を卒業した人ならば、独学でも合格に必要な力を身につけることができます。

試験で合格する方法が一般的で、科目合格があるんですね。
はい。参考書も過去問も豊富に販売されています。効率よく合格に必要な知識を身につけたい場合は、通信教材を利用しましょう。

4.電験三種に関するよくある質問

この項では、電験三種に関するよくある質問を紹介します。

Q.電験三種は、1科目ずつ毎年勉強して最後の年だけ2科目勉強する方法でも合格できるでしょうか?
A.できますが、その方法だと1年目・2年目に順調に合格できても3年目に不合格になった場合、またはじめからやり直しです。ですから、毎年4教科ずつ勉強していきましょう。

Q.電気の勉強は高校の物理で学んだ程度ですが、電験三種の勉強は独学でできますか?
A.まず、市販の参考書を1冊読んでみてください。何について説明しているのか全く理解できない場合は、電気数学の勉強から始めましょう。

Q.暗記問題だけ間違いなしで解答すれば、計算問題が全滅でも合格できますか?
A.暗記問題がすべて正解でも6割に届かない科目もあるので、計算問題を捨てては合格できません。

Q.電験三種は、科目ごとに難易度は異なりますか?
A.はい。かつては法規が簡単といわれていましたが、現在は法規の難易度が高めです。その代わり、電力がやや易しくなっていますが、年によって変わります。

Q.電気工事士の資格を取得していれば、電験三種の勉強も簡単ですか?
A.電気工事士よりも難易度がかなり高い試験なので、簡単にはいきません。それでも、全く知識がない人よりは合格しやすいでしょう。

まとめ

今回は電験三種の偏差値などについて解説しました。電験三種の偏差値は、あくまでも目安程度に思っておきましょう。人気の資格ですから、参考書などの教材は充実しています。時間をかけて勉強していけば、合格に必要な力を身につけることができるでしょう。