電気設備に関する仕事がしたい! 求人の種類や必要な資格を一挙紹介

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電気設備とは、電気の配線・受電・発電・変電など、電気を安全に使う設備の総称です。一般家庭から商業施設・学校・高層ビルなど、電気を扱っている場所すべてに電気設備は設置されています。電気設備の定期的な点検・整備・電気工事には資格が必要です。

そこで、今回は電気設備の点検・整備・保安監督業務や電気工事が行うことができる、資格や求人などをご紹介しましょう。

  1. 電気設備に関する基礎知識
  2. 電気設備に関する仕事について
  3. 電気に関する資格を取得しておくメリット
  4. 電気設備に関する求人についてよくある質問

この記事を読めば、電気設備の保守点検や電気工事を行うための資格を取得するメリットもわかります。電気主任技術者や電気工事士の資格を取得したい方も、ぜひ読んでみてくださいね。


1.電気設備に関する基礎知識

はじめに、電気設備の定義や電気設備に関する法律、保守点検・整備・電気工事を行うことのできる資格などをご紹介します。どのような決まりがあるのでしょうか?

1-1.電気設備とは?

電気設備とは、前述したように電気を安全に使うために必要な設備の総称です。変電設備・配電設備・受電設備・配線設備などさまざまなものがあります。また、電気設備の中で、電気を使用するための機械・器具・電線路を電気工作物というのです。電気工作物は、600V以下の受電設備・家庭用の太陽光発電・水素発電の設備などの「一般用電気工作物」と、それ以外の「事業用電気工作物」に分類されます。事業用電気工作物の中でも、600V以上の受電設備や小規模な太陽光や風力発電設備は、「自家用電気工作物」と呼ばれ、自主保安が必要です。なお、炭鉱や火薬工場など火災の危険が高い施設の電気設備は、電圧に関係なく自家用電気工作物に指定されています。

1-2.電気工事とは?

電気工事とは、家電の設置を除く電気に関する工事全般を指します。電気の配線工事や受電設備の設置・電気設備の修理などもすべて電気工事です。一般的な電気以外の工事は、有資格者の監督下であれば無資格者でも行うことができます。

しかし、電気工事だけはどのような工事でも無資格者は行えません。電気工事士という資格が必要です。電気工事士には一種と二種があり、二種は一般用電気工作物の工事が行えます。一種は、一般用電気工作物に加えて、自家用電気工作物で最大電力500KW未満の需要設備の工事が行える資格です。

1-3.自家用電気工作物の自主保安について

自家用電気工作物は経済産業省によって産業保安規則が定められています。また、電気設備に関する技術基準を定める省令によって、電気工作物を安全に運営するための規則も定められているのです。そのため、自家用電気工作物を含む事業用電気工作物は、定期的に点検し、必要な整備をしなければなりません。このような自家用電気工作物の保安監督業務を行うには、電気主任技術者の資格が必要です。

1-4.電気設備を設置する工事の施工管理について

電気設備は、ありとあらゆる建物や道路・橋・公園などの屋外施設に必要です。そのための工事を計画し施工管理を行うのが、電気工事施工管理技士になります。実際に工事を行うのは電気工事士ですが、指示を出すことのできる資格といえばイメージしやすいでしょう。建築物の電気工事は、電気工事施工管理技士の元で設計され、工事が行われます。

2.電気設備に関する仕事について

この項では、電気設備に関する仕事や、仕事に就くのに必要な資格、求人についてなどをご紹介します。どのような仕事があるのでしょうか?

2-1.電気工事

配線工事など電気設備の設置・変更・修理・取り外しなどを行う電気工事は、前述したように電気工事士の資格があれば行うことができます。建設工事からリフォーム工事まで、電気工事が必要な現場は数多いでしょう。また、ビルの管理(ビルメンテナンス業)の職に就いた場合も、ごく簡単な電気工事を行うこともあります。資格を取得しておけば有利でしょう。

電気工事士には一種と二種がありますが、一種の方が行える工事が幅広いため、需要が高く求人も豊富になっています。電気工事士は一種も二種も受験資格は定められていません。しかし、一種の免許を交付してもらうには3年~5年の実務経験が必要です。ですから、まずは第二種を取得し、実務経験を積んだ後で一種を取得するとよいでしょう。

2-2.自家用電気工作物の保安監督業務

自家用電気工作物を設置している施設では、定期的な点検を行うことが義務付けられています。この点検を行うには、電気主任技術者の資格が必要です。電気主任技術者には第1種・第2種・第3種の三種類ありますが、第3種を取得しているだけでも、保安監督業務が行える自家用電気工作物はたくさんあります。

電気主任技術者の資格を生かして仕事をしたい場合は、自家用電気工作物を設置してある施設に雇用されるか、保守点検業務の委託を請け負っている会社に就職することが一般的です。

なお、一定の実務経験を積むと独立することもできます。第1種・第2種の電気主任技術者の資格を取得すれば、発電所や変電所、大規模な工場といった場所に設置されている自家用電気工作物の保安監督業務が行えるようになるでしょう。

自家用電気工作物を設置してある場所はたくさんあるので、保安監督業務を行う電気主任技術者の需要も高くなっています。自家用電気工作物の保安監督業務は年をとっても続けられるので、少しでも長く仕事を続けたいという方にもおすすめです。

2-3.電気設備工事の施工管理や監督業務

建設工事で電気設備工事を行う際、施工管理や安全管理・技術者の監督業務を行うには、電気工事施工管理技士の資格が必要です。電気工事施工管理技士は、施工管理技士資格の一つで、取得をしていれば工事現場の主任技術者や監理技術者にもなることができます。電気工事施工管理技士には一級と二級があり、二級は主任技術者、一級は主任技術者の他監理技術者や専任技術者にもなることが可能です。どの職務も、工事現場や建築会社の営業所には欠かせません。

電気工事施工管理技士は、電気工事士や電気主任技術者としての実務経験を得て、試験に合格すれば取得できます。電気工事士や電気主任技術士から施工管理技士へ転身する方もいるのです。施工管理技士は受験資格がある分、取得するまでに時間がかかります。ですから、需要も高く工事が多い場所に行けば引っ張りだこになることもあるでしょう。

3.電気に関する資格を取得しておくメリット

電気工事・自家用電気工作物の保安監督業務など、電気に関する仕事はすべて有資格者でないと行えません。ですから、資格を取得しておけば、一定の求人はあるでしょう。資格の難易度は、電気工事士が最も取得しやすく、電気主任技術者は近年難しくなっている傾向にあります。電気工事設備管理技士は実務経験などの受験資格が必要なので、試験を受けるまでに時間が必要です。そのため、有資格者は電気工事士や電気主任技術者よりも少ないでしょう。なお、都道府県知事より一種電気工事士の免状を交付されている方は、無条件に一級電気施工管理技士の試験を受けることができます。

電気工事士・電気主任技術者・電気工事施工管理技士は電気という共通項目があるものの、行えることは異なります。電気工事士と電気主任技術者の資格を両方もっているという方もいますし、電気工事士から電気工事施工管理技士へステップアップしていった方もいますが、両方の資格をフル活用して仕事をしているという方はごくわずかです。資格を取得する場合は、自分がどのような仕事に就きたいのかよく考えて資格を取得するようにしましょう。

電気工事士や電気主任技術者は、性別・年齢・学歴・国籍に関係なく試験を受けることができますが、試験には電気の知識がなければ解けない問題が数多く出題されます。全く知識がない状態から電気関係の資格を取得したいと思っている方は、時間をかけて勉強を行いましょう。

4.電気設備に関する求人についてよくある質問

Q.電気関係の仕事に就くには、必ず資格がいるのでしょうか?
A.はい。簡単な電気工事を行うにも必ず資格がいります。

Q.電気工事士などの資格を取得するには、どのくらい勉強すればよいのでしょうか?
A.電気工事士や電気主任技術者の資格を取得するには、電気に関する知識がある方ならば1か月かけて勉強すれば、合格できるレベルまで知識を身に着けることができます。全く知識のない状態から勉強する場合は、は3か月程度を目安に勉強してみてください。

Q.電気主任技術者の場合は、いきなり第1種にチャレンジすることもできますか?
A.可能ですが、第1種電気主任技術者の資格を取得するには、大学の工学部、電気科を修了した程度の知識が必要です。

Q.電気工事士や電気主任技術者は、未経験でも求人がありますか?
A.経験者よりも不利ですが、求人は一定数あるでしょう。

Q.電気関係の資格は、ある程度年齢が高くなって取得しても役立ちますか?
A.はい。40代・50代になってから資格を取得して活躍している方も多いのです。ビルメンテナンス業界では、60歳を過ぎてから電験3種に挑戦している方もおられます。

おわりに

今回は、電気設備の保安監督業務や電気工事を行うことができる資格や、求人についてご紹介しました。電気に関する仕事は有資格者しか行うことができないため、資格を取得していれば一定の求人は期待できます。特に、経験があれば年齢に関係なく優遇してくれる職場は多いでしょう。転職も資格を取得していれば有利です。