圧縮機の仕組みや種類は?どのような役割があるの?

はてなブックマークに追加 Twitterでシェア Facebookでシェア

圧縮機とはコンプレッサーともいい、気体を圧縮して送りだす装置の総称です。送風機、圧縮機、排風機、真空ポンプは基本的に同じ機械と思ってもよいでしょう。工場などには、欠かせない機械です。

そこで今回は、圧縮機の種類や仕組みをご紹介しましょう。圧縮機は、その用途によって構造が異なります。工場などで使われていることも多いので、電験3種を取得した方も目にすることが多いでしょう。電験3種の取得を目指している方も、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 圧縮機(コンプレッサー)とは?
  2. 圧縮機の種類は?
  3. 圧縮機の役割は?
  4. 圧縮機に不具合が起こるとどうなるのか?

圧縮機はどのような役割があるの?


1.圧縮機(コンプレッサー)とは?

圧縮機(コンプレッサー)とは?

圧縮機とは、文字とおり圧縮した気体を押し出す装置です。圧縮された空気は、空気圧縮利用器に送られてそれぞれの用途に使用されます。空気は、私たちの周りに常に存在していますが、普段意識している方はいません。それは、通常の空気が味も臭いもなく、重さすらほとんど感じられない存在だからです。しかし、空気は圧縮すると大きなエネルギーになります。

私たちに身近な例を上げるとエアーダスターでしょう。エアーダスターとは、空気の力でほこりを吹き飛ばすものです。片手で扱えるようなものさえ、ほこりを吹き飛ばす程度の威力はあります。それを大型化すれば、いろいろな用途に使えるでしょう。

1-1.圧縮機の仕組みや種類は?

この項では、圧縮機の仕組みや種類をご紹介しましょう。圧縮機が使われている場所や用途は幅広いため、種類もたくさんあるのです。

1-2.圧縮機の仕組みは?

圧縮機は文字どおり、空気を圧縮するための機器です。空気を取り入れた圧縮機は、内部の装置を使って空気を圧縮します。最も身近な例を上げて説明をしましょう。自転車の空気を入れる機械は、人力によって空気入れにピストン運動を行うことにより空気を圧縮し、効率よく空気をタイヤへと送り入れます。

圧縮の仕組みも同じです。何らかの力を使って空気を押し縮めることにより、圧縮します。その結果、空気は圧縮されて熱を持ったり圧力が高まったりするのです。

圧縮した気体を押し出す装置が圧縮機なんですね。
圧縮された空気は、空気圧縮利用器に送られてそれぞれの用途に使用されるのです。

2.圧縮機の種類は?

圧縮機の種類とは?

圧縮機の種類とは、そのまま空気を圧縮する方法になります。空気を圧縮する方法は大きく分けて、ターボ型と容積型があるのです。ターボ型は軸流式と遠心式にさらに分類され、容積方は往復式と回転式に分かれます。次の項からより具体的に種類の説明をしていきましょう。

2-1.ターボ型の圧縮機とは?

ターボ型の圧縮機は、遠心式が主に使われているのです。遠心式とは羽根車によって生じた遠心力で空気を圧縮します。主に排熱機に利用されており、プロペラがついている機器は遠心式の圧縮式を備えているとみてよいでしょう。遠心式の圧縮機は大容量に適していますが、その分高圧縮には不向きになっています。ですから、大型の冷凍機の排熱機、そして間欠燃焼エンジンの排気過給機(ターボチャージャー)として使われているのです。

一方、流軸式圧縮機とは、軸方向に吸い込み軸方向に圧力を与える圧縮機になります。
大容量の圧縮ができるため、飛行機などに取りつけられているジェットエンジンなどの圧縮機に使われているのです。

2-2.容積形圧縮機とは?

容積形圧縮機とは、大きく分けてスクリュー式とレシプロ式があります。レシプロ式は、ピストンの往復運動によるシリンダーの容積変化で空気を圧縮するものです。前述した、タイヤの空気入れも、このレシプロ式になります。圧縮機の最も原始的な形と言い換えてもよいでしょう。軽量でコンパクトなうえ、作るのにも費用がかかりません。ですから、自転車の空気入れを始め、カーエアコンなどコンパクトな圧縮機が必要とされる場所に使われているのです。

回転式の圧縮機とは、スクリューローターを回転させて空気を圧縮します。回転式の圧縮機は、現在コンプレッサーの中で最もポピュラーなもので、冷凍機や空気圧縮機、除湿器、販売機用の冷凍機などに使われているのです。回転式はそれだけでも何種類もあるので、職場で扱っている方は自分が使っている機器はどのような圧縮機が使われているのか、確かめておきましょう。

圧縮機の種類には色々あるんですね。
大きくターボ型と容積型に分けることができ、容積形圧縮機にはスクリュー式とレシプロ式があります。

3.圧縮機の役割は?

圧縮機の役割とは? class=

圧縮機は、文字どおり空気を圧縮して押し出す役割を担っています。その用途は大きく分けて二つあり、一つは排熱、もう一つは排気です。排熱とは、機械内で生じた熱を外に出すこと。排気とは、空気の入れ換えです。私たちの身近にあるものといえば、エアコンでしょう。

エアコンは、室内の空気を取り入れて冷やし、適温になった空気を再び吐き出します。その際、取り去った熱は、排熱として空気中に放出されるでしょう。エアコンの電気代は高いというイメージがありますが、その内訳はほとんどが排熱処理なのです。ですから、排熱がうまくいかないと電気代がどんどん高くなってしまう可能性もあります。

さて、排熱になぜ圧縮機が必要なのかというと、空気を圧縮すると熱を持つからです。熱を持った空気は、より排気しやすくなるためわざわざ空気を圧縮したうえで外に放出しています。これを圧縮せずに空気中に排熱した場合もっとエネルギーがいるのです。

圧縮機は空気を圧縮して押し出す役割を担っているんですね。
用途は大きく分けて、排熱と排気です。排熱は機械内で生じた熱を外に出すことで、排気は空気の入れ換えになります。

4.圧縮機に不具合が起こるとどうなるのか?

圧縮機に不具合が起こるとどうなるのか? class=

圧縮機に不具合が起こると、まず空気が圧縮されなくなります。それは当たり前でしょう。最も単純な圧縮機として自転車の空気入れで例えてみます。空気の圧縮が起こらなければ、排熱や排気がうまくいきません。ですから、機器内部の圧力や温度が上がったりするでしょう。

その結果、機器がうまく作動せずに故障ということになります。安全装置が働いている場合は、電源が自動で落ちますのでまだ安全です。しかし、もし安全装置が働いていない場合は、内部の気温などが高まって火災の原因になることもあるでしょう。ですから、コンプレッサーの寿命がそのまま機器の寿命になることは珍しくありません。電験3種の資格を持っていると、高圧受電設備の点検などをします。

その際、コンプレッサーの具合もよく点検しておきましょう。コンプレッサーが故障して機械が動かなくなった結果、建物中の空調などに影響が出ることも少なくありません。特に、ビルの場合は空調が動かなくなれば、そのまま中で活動をすることができなくなるのです。十分に気をつけましょう。故障してから対応したのでは遅いのです。

圧縮機に不具合が起こると、まず空気が圧縮されなくなるんですね。
空気の圧縮が起こらなければ、排熱や排気がうまくいかないため、機器内部の圧力や温度が上がったりして故障してしまいます。

5.おわりに

コンプレッサーの種類と仕組みついてのまとめ class=

いかがでしたか?今回はコンプレッサーの種類と仕組みついてご紹介しました。コンプレッサーは、決して目立つ機器ではありません。しかし、ここが故障すれば機械全体が故障してしまうことも珍しくないでしょう。特に、空調は排熱を圧縮機で外部へ排出しています。ですから、前述したように圧縮機の故障を見逃していれば、空調が一斉にダウンしてしまうこともあるのです。電験3種の資格を取得すると、高電圧受電設備を定期的に点検する仕事に就く方も多いでしょう。

また、ビル管理などの仕事をする場合は、空調の点検も任務に入ります。万が一、空調の大規模な故障が起こった場合はビル全体が使えなくなることもあるでしょう。そのため、特に念入りに点検しなければなりません。冷凍庫も同じです。目立つ場所でないからこそ、注意深く点検をしましょう。早めに故障を直せば、不具合が起こることもありません。劣化した部品は早めに取り替えましょう。