電気主任技術者はフリーランスで働ける? メリット・デメリットは?

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「電気主任技術者としてフリーランスで働くことは可能か」「フリーランスのメリットやデメリットを知りたい」とお考えではありませんか。電気主任技術者は、企業から需要が高い資格であり、就職や転職で有利になります。しかし、フリーランスでやっていけるかとなると、どうなのかよく分かりませんよね。

そこで今回は、電気主任技術者がフリーランスとして働けるのか、詳しく解説します。

  1. 電気主任技術者とは?
  2. 電気主任技術者はフリーランスとして働ける?
  3. 電気主任技術者がフリーランスになるまでの流れ
  4. 電気主任技術者の資格試験の勉強法
  5. 電気主任技術者のフリーランスに関するよくある質問

この記事を読むことで、電気主任技術者がフリーランスで活躍するコツや注意点がよく分かります。まずは、記事を読んでみてください。


1.電気主任技術者とは?

最初に、電気主任技術者とはどんな資格か見ていきましょう。

1-1.事業用電気工作物の工事・維持・運用を行う

電気主任技術者とは、事業用工作物の工事・維持・運用に関する保安を行うための資格です。電気事業法に準拠しており、第1種・第2種・第3種の三種類があります。資格の種類ごとによる、取り扱い可能な事業用電気工作物の範囲は以下のとおりです。

  • 第1種:すべての事業用電気工作物
  • 第2種:電圧17万V未満の事業用電気工作物
  • 第3種:電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5000kW以上の発電所を除く)

1-2.電気主任技術者の主な業務は?

電気主任技術者の主な業務には、以下のようなものがあります。

  • 所管官庁が法令に基づいて行う検査・審査についての立ち会い
  • 法定自主検査(使用前自主検査・溶接自主検査・定期自主検査)の検査指導・監督
  • 電気工作物の保安に関する知識や技能の教育
  • 災害・電気事故発生時の対応に関する実地指導訓練
  • 電気工作物に関する工事の完成後検査や保安上問題がないことの確認
  • 法令に基づく法定自主検査・使用前自主検査の監督
  • 電気工作物の保守業務の指導監督

1-3.ビル管理会社など幅広い就職先がある

電気主任技術者の就職先には、以下のようなところがあります。

  • 工場
  • ホテル
  • 鉄道会社
  • 発電所
  • 病院
  • ビル管理会社
  • ビルメンテナンス会社

電気主任技術者の資格を取得すれば、企業から引く手あまたの人材となり、就職・転職に有利なだけでなく、年収アップも望むことができるなど多くのメリットがあります。

2.電気主任技術者はフリーランスとして働ける?

電気主任技術者はフリーランスとして独立できるのか、主なメリット・デメリットは何かを解説します。

2-1.電気主任技術者は独立できる?

電気主任技術者は、資格取得後一定の実務経験を重ねれば独立も可能です。自分の実力を頼りに自由に働きたいのなら、独立を目指すといいでしょう。もちろん、ただ実務経験を重ねただけではフリーランスとして安定することはできません。まずは、独立に向けてさまざまな仕事を経験し、人脈を作ることが大切です。

2-2.自由に働けるが仕事を自分で探す必要がある

電気主任技術者としてフリーランスで働く場合、以下のようなメリット・デメリットがあります。

メリット

  • 自由な働き方ができる
  • 仕事の内容や条件を選ぶことができる
  • 定年がなく長く働くことができる
  • 人間関係のストレスが少ない

デメリット

  • 自分で仕事を探す必要がある
  • 仕事量・単価に波がある
  • 福利厚生がない
  • 経理などの事務作業もすべて自分でやる必要がある

3.電気主任技術者がフリーランスになるまでの流れ

電気主任技術者としてフリーランスになるまでに必要な条件や準備について見ていきましょう。

3-1.電気主任技術者として一定の実務経験が必要

電気主任技術者としてフリーランスで働くには、資格の種類によって下記のような実務経験が必要です。

  • 第1種:3年
  • 第2種:4年
  • 第3種:5年

3-2.一定の機材を用意する必要がある

電気主任技術者としてフリーランスで働くには、以下のような機材も必要になります。

  • 絶縁抵抗計
  • 電流計
  • 電圧計
  • 低圧検電器
  • 高圧検電器
  • 接地抵抗計
  • 騒音計
  • 振動計
  • 回転計

上記の機材は仕事に必要なものなので、開業までに購入しておきましょう。

3-3.保安管理業務管理委託承認を受ける必要がある

電気主任技術者としてフリーランスで働く前に、所轄の産業保管監督部にて保安管理業務管理委託承認を受ける必要があります。規定の申請書類を所轄の産業保安監督部のホームページから入手・記入して申請し、担当職員の面接によって要件の確認を受けましょう。なお、より詳しい内容については関東東北産業保安監督部のホームページを参考にしてください。

4.電気主任技術者の資格試験の勉強法

電気主任技術者の資格試験を詳しく解説します。

4-1.受験資格はなく誰でも受験できる

電気主任技術者には、受験資格がありません。第1種・第2種・第3種共に、希望する人は、国籍・年齢・性別・学歴・実務経験の有無に関わらず受験可能です。なお、2019年度の受験申請期間は、5月27日(月)~6月12日(水)までとなります。受験を希望する人は、忘れずに申請してください。

4-2.試験は年1回9月上旬ごろに実施

電気主任技術者試験の試験概要は、以下のとおりです。

  • 試験日程:第1種・第2種(一次試験9月上旬ごろ・二次試験11月下旬ごろ)・第3種9月上旬ごろ
  • 受験費用:第1種および第2種12,400円(インターネット)・12,800円(郵送)、第3種4,850円(インターネット)・5,200円(郵送)
  • 申し込み方法:インターネットもしくは郵送

なお、より詳しい内容については一般財団法人電気技術者試験センターのホームページを参考にしてください。

4-3.第1種・第2種は二次試験がある

電気主任技術者試験の試験科目・内容については、以下をご覧ください。第1種・第2種は、一次試験合格後に二次試験があります。なお、全種類共に実技試験はありません。

1種・第2

  • 一次試験4科目(理論・電力・機械・法規)のマークシート方式
  • 二次試験2科目(電力・管理、機械・制御)の記述方式

なお、二次試験は同年度の一次試験合格者および一次試験免除者だけが受験できます。また、二次試験に不合格でも翌年度は申請により一次試験免除にて二次試験が受験可能です。

3

  • 一次試験だけ4科目(理論・電力・機械・法規):マークシート方式

4-4.合格率はいずれも10%以下の難関

電気主任技術者試験の合格率は、以下の平成30年度のデータを参考にしてください。いずれも合格率が10%以下と考えると、難関資格と言えます。

  • 第1種:4.0%
  • 第2種:4.0%
  • 第3種:6.3%

しかし、試験は筆記試験だけであり、各科目60%以上の得点率が合格基準であるため、十分に準備することができれば合格は可能です。

4-5.問い合わせ先は一般財団法人電気技術者試験センター

電気主任技術者試験に関する問い合わせは、一般財団法人電気技術者試験センターとなります。

  • TEL:03-3552-7691
  • FAX:03-3552-7847
  • 受付時間:午前9時~午後5時15分(土日祝日は休日)

なお、併せて一般財団法人電気技術者試験センターの試験に関するQAページも参考にしてください。

4-6.過去問と例題を繰り返し解いて得点力を高める

電気主任技術者試験は、過去問と例題を何度も解いて出題形式に慣れ、得点力を高めることが大切です。特に、苦手科目は早めに対策しましょう。1科目でも合格基準に達しないと不合格になります。なお、文系出身者や実務未経験者が受験する場合は、基礎を固めることも必要です。たとえば、市販のテキストや通信講座を利用するのもいいでしょう。

5.電気主任技術者のフリーランスに関するよくある質問

最後に、電気主任技術者のフリーランスに関する質問に回答します。それぞれ、参考にしてください。

Q.どんな人が電気主任技術者としてフリーランスで働くのに向く?
A.以下のような人は、フリーランスで働くのが向くでしょう。

  • 電気主任技術者として長年の経験と知識がある
  • 自己管理がきちんとできる
  • コミュニケーション能力が高い
  • 向上心がある

Q.フリーランスで電気主任技術者の仕事をもらう方法は?
A.最初のうちは、会社員時代の人脈に頼って仕事を紹介してもらうことをおすすめします。まずは、小さな仕事でも受けて実績を作ることが大切です。実績を積み上げていけば、口コミや紹介などで仕事がもらえるようになるでしょう。また、自分で広告を出す・営業に出ることも必要です。

Q.電気主任技術者としてフリーランスになると各種保険はどうなる?
A.個人事業者として、国民健康保険や国民年金などに加入することになります。なお、フリーランスには雇用保険はありません。

Q.フリーランスとして独立するためには第1種を取得するべきか?
A.はい。第3種・第2種でもフリーランスになることはできますが、取り扱う事業用電気工作物の範囲が広がり、より専門性が高まるからです。また、第1種を取得したほうが企業からの信用も上がるため、仕事を受けやすくなるでしょう。

Q.電気主任技術者試験に科目合格制度はある?
A.はい。第1種・第2種の一次試験および第3種の試験で科目合格となった場合は、翌年と翌々年の試験を申請により科目免除で受けることができます。なお、第1種・第2種の二次試験に科目合格制度はありません。

まとめ

今回は、電気主任技術者のフリーランスについて詳しく解説しました。電気主任技術者は、会社に属して働く以外にも、独立してフリーランスとして活躍することもできます。自分の腕を試したい・自由な働き方をしたいのならば、フリーランスを目指すといいでしょう。まずは、この記事を参考に独立開業の条件を満たしてください。なお、電気主任技術者試験をこれから受けるなら、きちんと計画を立てて試験対策をすることが大切です。電気主任技術者試験は難関ですが、合格を目指して頑張りましょう。